超絶説得力のないダメ上司の話し方5つの特徴
■上司が説得力を持たない理由
昨今のビジネス環境では、リーダーシップがますます重要視されている。情報が溢れ、競争が激化する中で、迅速かつ的確な判断が求められるからだ。
そんな時代において、説得力のない話し方をする上司はダメ上司と見なされる。部下に対する指示が不明確であったり、根拠が曖昧だったりすると「コミュニケーション効率」が非常に悪くなるからだ。これはつまり組織全体のパフォーマンス低下を意味する。
そこで今回は、どのような話し方をすると説得力がまったくないのか。そんなダメ上司の話し方5つの特徴を紹介する。一人でも部下を持つ上司はぜひ最後まで読んでいただきたい。
(1) 根拠に抜け漏れが多い
話す内容に抜け漏れが多いと、当然説得力が落ちる。主張を支える根拠が足りないからだ。
たとえば、ある会議で、上司が
「この新しい販売戦略で売上が上がる」
と言ったとしよう。なのに具体的な根拠やデータがほとんど示されなかった。部下たちが「本当に効果があるのか?」と疑問に思うのは当たり前だ。単に主張や提案をするだけで部下は納得しない。
(2) 主張したいことと別のテーマのことを混ぜる
話の中に関係のないテーマの話が混ざると、聞き手は混乱する。話の論点がわかりづらくなり、上司が何を伝えたいのか分からなくなる。このような話し方では、部下の集中力を失わせることだろう。
たとえば上司が、
「組織内コミュニケーションを改善しよう」
と話し始めたとする。なのに途中から思いついたように予算の話や別のプロジェクトの進捗についても触れはじめた。これでは部下たちは、どのようにコミュニケーションを改善したらいいか分からないに決まっている。
(3) 話が整理されていない
そもそも話が整理されていないと、聞き手は重要な情報を見失う。迷子になってしまう。話の中に別のテーマが混ざっていなくても、上司の話があちこち飛んでしまうと、聞いている部下自身が話を整理しなければならなくなる。
たとえば会議中に上司が新しいプロジェクトの説明をしたとしよう。そのプロジェクトの背景を話したと思ったら、おもむろにデータを取り出して説明をはじめた。このような話し方をされると、何がどのようにつながっているのか整理できない部下も多いことだろう。
(4) 因果関係や相関関係がおかしい
話が整理されていても、データを見せられても、主張と根拠の因果関係や相関関係が正しくないと、部下はその主張を納得できないだろう。疑問を持ったまま上司の指示に従うことになってしまう。
たとえば上司が、
「売上が下がったのは、原材料が高騰して値上げに踏み切ったからだ」
と説明したとする。しかし部下たちが「商品が競合よりも劣っていたからでは?」「昨年まで実施していたイベントを経費節減でやめたからではないのか?」と考えていたなら、当然この上司の主張は受け入れがたいものになるだろう。
(5) 結論が不明確
結論をはっきり述べなければ説得力がないに決まっている。しかしこのような上司は実に多い。話の終わりに何を伝えたいのかが不明確だと、部下はどう行動すべきか分からない。
たとえば上司が会議中に
「これらのデータを見ると明らかだ。当社の競合他社の製品よりも劣っていて、明確なプロモーションもできていない。見込み客が増えないのは当然だ」
と言いはじめた。上司の話は理解できる。しかしそこから話が曖昧になってしまった。
「残業も多いし、デジタルリテラシーも高めなければならない。自分のキャリアについても考え直さなければならない時代だ。それでも、精いっぱいやっていこう」
具体的な根拠を示したのに、具体的な指示がないのだ。これでは部下にどうしてほしいのか、まったく伝わらないだろう。
■超絶説得力のある「ピラミッドストラクチャー」を学ぼう!
以上のような特徴を持つダメ上司の話し方では、部下には分かりづらく、信頼も得られない。だからこそ有名な「ピラミッドストラクチャー」を使うことを強くお勧めする。
結論を最初に述べ、その後に根拠や具体例を順序立てて説明するストラクチャーだ。古典的なフレームワークだから、とても信頼性が高い。
「ピラミッドストラクチャー」を使えば、自然と話が整理され、抜け漏れもなく、説得力のあるコミュニケーションができる。プレゼン資料と伴わせて活用すれば、効果は倍増するだろう。ぜひ多くの上司に身につけてもらいたいフレームワークだ。
<参考記事>