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あと7本に迫った「700本塁打」に加え、プーホルスはこんな記録も塗り替える!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)Aug 22, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月22日、アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)は、693本目のホームランを打った。700本塁打を100%とすると、693本は99%だ。到達まで、残りは1%ということになる。

 今シーズンは、72試合に出場し、202打数で14本塁打(14.4打数/本)。8月10日以降は、出場10試合の31打数で7本塁打(4.4打数/本)だ。史上4人目の700本塁打だけでなく、プーホルスは、こんなホームランの記録にも迫っている。

■最も多くの投手からホームラン■

 8月22日のホームランは、ドルー・スマイリー(シカゴ・カブス)から打った。それまでの対戦は、14打数3安打。二塁打が2本あるが、ホームランはなかった。プーホルスは、449人からホームランを打った打者となり、歴代最多のバリー・ボンズと並んだ。あと1人増えれば、新記録だ。

 このランキングのトップ10は、「今年限りで引退のプーホルスは「最も多くの投手からホームランを打った打者」まであと1人」に記載した。

■歴代5位から4位へ■

 通算本塁打のトップ4は、ボンズ(762本)、ハンク・アーロン(755本)、ベーブ・ルース(714本)、アレックス・ロドリゲス(696本)だ。プーホルスは、あと3本でA-RODに並び、4本打つとA-RODを上回る。700本塁打の前に、歴代5位から4位へ浮上する。

 なお、トップ4の690本目から700本目までについては、「プーホルスは「700本塁打」に到達できるのか。残りはあと10本」で書いた。

■カーディナルスの球団記録■

 プーホルスがカーディナルスで記録した459本塁打は、475本塁打のスタン・ミュージアルに次ぎ、球団2位に位置する。その差は16本だ。USAトゥディのボブ・ナイテンゲールが8月21日に発表した記事によると、プーホルスは、700本塁打に到達しなくても今オフに引退するつもりなので、ミュージアルに追いつくのは、不可能はないとはいえ、まず無理だろう。とはいえ、カーディナルスで300本塁打以上は、ミュージアルスとプーホルスの2人しかいない。3位は255本塁打のケン・ボイヤーだ。

 他のホームランは、ロサンゼルス・エンジェルスで222本と、ロサンゼルス・ドジャースで12本。エンジェルス時代の222本は、球団4位タイ。ブライアン・ダウニングと並んでいて、マイク・トラウト(334本)、ティム・サーモン(299本)、ギャレット・アンダーソン(272本)に次ぐ。

■ポストシーズン通算本塁打■

 プーホルスは、ポストシーズンの86試合に出場し、19本のホームランを打っている。これは、ジョージ・スプリンガー(現トロント・ブルージェイズ)と並び、5番目に多い。トップ4は、マニー・ラミレス(29本)、ホゼ・アルトゥーベ(23本/ヒューストン・アストロズ)、バーニー・ウィリアムズ(22本)、デレク・ジーター(20本)だ。プーホルスは、今年のポストシーズンで4本のホームランを打つと、歴代2位タイに浮上する――アルトゥーベやスプリンガーらも打つかもしれないので、確実とは言えないが――可能性がある。

 8月22日を終え、カーディナルスは地区首位にいて、2位に5.5ゲーム差をつけている。プーホルスのポストシーズン出場は9度を数え、2004年は15試合で6本塁打、2011年は18試合で5本塁打を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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