サイ・ヤング賞投手が金銭トレードで移籍する。地区首位のマリナーズから地区首位のブルワーズへ
シアトル・マリナーズとミルウォーキー・ブルワーズは、トレードを成立させたようだ。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールやMLB.comのマーク・フェインサンドらが、ブルワーズは金銭と交換にマリナーズからダラス・カイクルを獲得、と報じている。
カイクルは、シンカーを主体にゴロを打たせる左投手だ。ヒューストン・アストロズ時代の2015年に、サイ・ヤング賞を受賞した。2014~20年の7シーズンに記録した防御率3.25(1126.1イニング)は、このスパンに700イニング以上の73人中、11位に位置する。
だが、過去3シーズンの防御率は、2021年が5.28(162.0イニング)、2022年が9.20(60.2イニング)、2023年は5.97(37.2イニング)だ。今シーズンは、4月初旬にマリナーズとマイナーリーグ契約を交わし、AAAの先発13登板で71.0イニングを投げ、防御率3.93を記録した。近年は悪化していた与四球率が、あくまでもAAAにおける数値ながら、今シーズンは下降している。現在の年齢は36歳だ。
マリナーズとブルワーズは、どちらも地区首位に立っている。だが、マリナーズの先発防御率が両リーグ4位の3.40であるのに対し、ブルワーズの先発防御率は18位の4.20だ。
昨オフ、ブルワーズは、コービン・バーンズをボルティモア・オリオールズへ放出した。その前にノンテンダーとしたブランドン・ウッドラフとは再契約を交わしたが、ウッドラフは、10月に肩の手術を受けている。復帰は、早くてもシーズン終盤だろう。今シーズンは、全休もあり得る。
ウェイド・マイリーとロバート・ガッサーは、それぞれ、5月と6月にトミー・ジョン手術を受けた。ガッサーは、5月にメジャーデビューし、先発5登板の28.0イニングで防御率2.57を記録していた。
また、今シーズンを終えたわけではないが、DL・ホールとジョー・ロスも、離脱している。ホールは、バーンズの交換要員として、三塁手のジョーイ・オティーズとともにオリオールズから加入した。ちなみに、オティーズは、70試合で出塁率.383とOPS.831を記録している。新人王の受賞は難しいかもしれないが、このままいけば、新人王の投票において、ナ・リーグの野手では最上位にランクインしてもおかしくない。
カイクルは、ブルワーズでも、まずはAAAで投げるのではないだろうか。けれども、昇格の可能性は、マリナーズにいた時よりも高まったはずだ。