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連日の完売続出の「あんこ天平」は、香ばしく塩気がきいたあと引く味わいが人気!あんこを挟んだお煎餅です

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

行列必須、完売必須…ついつい目が惹かれてしまうような言葉って、ありますよね。特別興味ないなぁと思っていたものが、いざ頂き物として何気なく食べてみたら「なるほど…!」と人気の理由が判明し、ふらりと足を向けたならば完売という経験が何度かあります。こちらをご覧くださっている方の中にも、同じような経験をした、という経験のあるかたもいらっしゃるのでは?

手の平サイズの可愛らしいお花型
手の平サイズの可愛らしいお花型

東京都葛飾区、いわゆる下町と呼ばれる町に佇むお洒落なお煎餅屋「富士見堂」さん。一見するとパン屋さんやパティスリーのようにも見え、その中にも木の温もりやどこかレトロなテイストを配した内装も特徴的。

しんぷるな塩味のお煎餅から海苔、梅ざらめ、ついつい指先をぺろりとしてしまいたくなるような桜えびやかつお七味など、常に常備しておきたくなるようなラインナップが揃いますが、ちょっと珍しいお煎餅が。

あんこ天平
あんこ天平

今回はお取り寄せでも都内で店舗でも大人気の「あんこ天平」をご紹介。

こんがりとしたお花型のお煎餅には、一般的なお煎餅と見比べるといくつもの相違点が。

ぱっと目をひくのは、二枚のお煎餅でなにかを挟んでいる、というところではないでしょうか。

うるち米の粒粒の食感が楽しい
うるち米の粒粒の食感が楽しい

満遍なく、ではなく、縁を残してさらし餡が挟んであります
満遍なく、ではなく、縁を残してさらし餡が挟んであります

玄米から自社精米をなさっているという拘りのうるち米からうまれるお煎餅は、お米の食感も楽しんでほしいという願いから粒立ちを残しているとのこと。そして、お煎餅の間にはさらし餡を挟んでおります。さらし餡とは、こし餡になる前の段階のあんこ。さらし餡にお砂糖や水を加えて炊き上げてこし餡となるのですが、その前の状態ですね。

一見チョコレートにも見えるのですが、さらし餡です
一見チョコレートにも見えるのですが、さらし餡です

最中のようにさらし餡を全体にのばすのではなく、縁との幅をもたせることにより、お煎餅そのもののキュッときいた塩気や、ざくざくとした食感と共に口の中いっぱいに広がる香ばしさと旨味も味わえます。

その後ひとつになるさらし餡のあっさりとした甘味のおかげで、いわば日本人の大好きな味のひとつでもある「甘い」「しょっぱい」の見事なタッグが完成。耳の奥に響く奥歯でお煎餅を砕いていく音も味わいのエッセンスになるのではないでしょうか。

長時間挟んでいても湿気ない調整がなされています
長時間挟んでいても湿気ない調整がなされています

食感、塩気共にかなりしたたかなので、これは非常に好みが別れそうなところ。とはいえ、今まであった素材をいままでなかった形で大人も子供も美味しく召し上がれるお菓子はここぞという時の手土産として覚えておいて損はないかと思います。

販売店舗により開店時間や曜日が異なりますので、ぜひ公式サイトからチェックしてくださいね。

ばら売りのご用意もあります
ばら売りのご用意もあります

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<富士見堂・本店>
公式サイト(外部リンク)
東京都葛飾区青戸3-25-7
03-3604-5648
9時~18時
定休日 日曜

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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