【Yahoo!ニュース エキスパート】編集部が選ぶ3月の月間コメンテーターコメントが決定 #MVC
Yahoo!ニュース エキスパート コメンテーター編集部が選ぶ、3月の「コメンテーターMVC(Most Valuable Comment)」が決定しました
専門家ならではの解説・補足により、「ニュースに対する新しい視点や気付きが得られる」「社会の課題を伝え、議論を喚起し、解決を促進している」コメントを選出する「コメンテーターMVC」。厳選した3本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。
今月の受賞者
・大津秀一さん
・松崎健夫さん
・山中龍宏さん
MVC受賞コメントとあわせて、選出理由と受賞者のコメントをご紹介します。
※※※
■『英キャサリン妃、がん公表に「母」の葛藤 子どもへの伝え方を優先(毎日新聞)』の記事へのコメント(大津秀一)
英国のキャサリン皇太子妃が、自身のがんについて3人の子供たちに伝える際の葛藤、公表タイミングや理由、そして親としての伝え方に対する考慮について報じられた記事に対するコメントです。
編集部の選出理由:
世界的な注目度の高いキャサリン皇太子妃の報道を例に、同じような悩みを抱えている親御さんにとって、気づきや具体的なアクションのきっかけを与えてくれる補足となっています。子供が自分のせいだと思い悩んでしまう可能性、伝え方で大切な3つの“C”の紹介など、医師としてこのようなケースに多く立ち会っている専門家の筆者だからこそ、患者と家族に温かく寄り添ったコメントとなっています。
大津秀一さんの受賞コメント:
未成年の子供、特に病気のことをなかなか理解するのが容易ではない年少の子供や、さまざまな難しさを抱える思春期の子供に、一体どう自分の「がん」を伝えれば、ショックを与えすぎず、しっかり受け止めてもらえるのか。その悩みと真剣に向き合った、数多くのがんの患者さんとご家族のお顔が思い出されます。子の今と未来にわずかでも悪い影響を与えたくない、それが共通の想いでした。キャサリン妃もどう3人の子に伝えるか母親として葛藤していたとの報道に触れ、がんを患う親にとって普遍的な悩みであり思いだということを改めて感じさせられました。
※※※
■『アカデミー賞、日本映画3作品の勝算は?『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』『PERFECT DAYS』それぞれ分析:第96回アカデミー賞(シネマトゥデイ)』の記事へのコメント(松崎健夫)
第96回アカデミー賞で日本作品の「君たちはどう生きるか」が長編アニメ映画賞、「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞しました。その2つの賞について、選考者が重視する視点や評価ポイントについて解説したコメントです。
編集部の選出理由:
「君たちはどう生きるか」、「ゴジラ-1.0」が受賞した長編アニメ映画賞、視覚効果賞について、投票者がどんな視点で見て何を評価しているのかを発表前に解説し、新たな気づきを提供。視覚効果賞に関しては過去の受賞例を出し、技術者が投票に加わることで「ゴジラ-1.0」に勝機ありと見事に言い当てました。ゴールデン・グローブ賞の国際投票権を持ち、国内でも映画祭の選考委員を務め、作品を選んできた筆者だからこそのコメントです。
松崎健夫さんの受賞コメント:
アメリカの映画芸術アカデミーが主催するアカデミー賞は、映画評論家や映画ファンの投票によって決まるものではなく、また映画祭のように10人前後の審査員によって決められるものでもないのですが、世間ではそのどちらかであるかのように受賞結果が語られることが多いのが現状です。重要なのは、(主にハリウッドで)監督や俳優、撮影や編集など実際に映画の現場に携わる人々が投票権を持っているという点で、つまりはプロの視点が介在している。そういったことを伝える場になったことに加えて、3月の月間MVCにも選出頂き感謝いたします。
※※※
■『給食詰まらせ死亡、「太平燕」のウズラの卵を使用中止・「よくかむ」指導徹底…対応分かれる(読売新聞オンライン)』の記事へのコメント(山中龍宏)
福岡県の小学校で、1年生の男子児童が給食で出たうずらの卵を喉に詰まらせて死亡した事故を受け、県内では喉に詰まらせる恐れがある食材の使用を中止する動きがある一方で、「よく噛んで食べる」よう指導を徹底することで提供を続けるなど、自治体によって方針が分かれていると報じられた記事に対するコメントです。
編集部の選出理由:
なぜ食べ物を喉に詰まらせてしまうのか。記事で提言されていた「よく噛むこと」が、歯の生え変わる時期である小学校低学年の児童には難しい理由に関して、具体的な仕組みを補足いただき、新しい気づきとなりました。また「よく噛むこと」だけでなく、卵をカットして提供するなど具体的な対策も追加していただき、小さな子どもを持つ親や学校関係者などにも有用なコメントとなっています。
山中龍宏さんの受賞コメント:
月間MVCに選んでいただきありがとうございます。給食で出されたウズラの卵で小学1年生が窒息死し、ニュースでその後の対応を見て違和感を覚えました。「よく噛んで食べるよう指導」するだけでは、また同じことが発生する可能性があります。小学校低学年では前歯がない時期があり、勢いよく吸い込むと、食べ物はそのままの形でのどの奥に到達してはまり込んでしまいます。窒息のメカニズムを知れば科学的な対策をとれると考え、コメントした次第です。小学校低学年までは、ウズラの卵はカットして提供する、あるいは提供を見合わせるのがよいと考えています。
※※※
Yahoo!ニュース エキスパートの「コメンテーターMVC」は、毎月中旬に「Yahoo!ニュース エキスパート公式」の記事で発表しています。
オーサー記事から選ばれる「MVA」も同時に発表していますので、ぜひあわせてご覧ください。