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松崎健夫

松崎健夫

認証済み

映画評論家

報告

見解長編アニメ映画賞に投票する映画芸術科学アカデミー会員の多くは、実際にアニメーション制作へ携わる技術者たち。そのため、物語性や共感という視点ではなく、どちらかと言うと技術的な視点を評価して投票する傾向にあります。それだけに明日の受賞結果は、どのようなアニメ表現が評価されたのかを知る機会にもなると思います。同様に、視覚効果賞はSFXやVFXを評価する部門であるため、大作映画が候補になるケースが多いという一方で、例えば『アポロ13』が候補時には『ベイブ』、『アルマゲドン』が候補時には『奇蹟の輝き』、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が候補時には『エクス・マキナ』が受賞するなど、たとえ予算の低い作品であったとしても、どちらかというと技術的な側面を評価してきたという経緯があるのです。それは、実際に視覚効果に携わる技術者たちが投票に関わるからで、『ゴジラ-1.0』における勝機のひとつだと思います。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 武井保之

    ライター, 編集者

    補足日本では世界三大映画祭(カンヌ、ベルリン、ヴェネチア)より興行への影響力が大きいアカデミー賞ですが、…続きを読む

  • 斉藤博昭

    映画ジャーナリスト

    見解予想のベット(賭け)や今年および過去の傾向など、いくつかのデータを独自の基準で集計した米ハリウッドレ…続きを読む

コメンテータープロフィール

東京芸藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了。テレビ、映画の現場を経て執筆業に転向。『WOWOWぷらすと』『米粒写経 談話室』『シン・ラジオ〜ヒューマニスタは、かく語りき〜』など、テレビ・ラジオ・配信番組に出演。YouTube『そえまつ映画館』を毎週金曜日に更新、Loftにて『映画解説講座』を定期開催中。『キネマ旬報』『DVD&動画配信でーた』劇場パンフレット等に多数寄稿、共著に『現代映画用語事典』(キネマ旬報社)などがある。ゴールデン・グローブ賞の国際投票権を持ち、キネマ旬報ベスト・テン選考委員、田辺・弁慶映画祭審査員、デジタルハリウッド大学客員准教授などを務めている。日本映画ペンクラブ会員。

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