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【Yahoo!ニュース 個人】8月の月間MVAとMVCが決定

(ペイレスイメージズ/アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、8月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC」も選出しました。厳選5本の記事と1本のオーサーコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

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8月のMVA

女性医師は「迷惑な存在」なのか?女性医師率45%ドイツのキレイゴトではない妥協(市川衛)

筆者による受賞コメント:誰かを声高に批判したり、自分の考えを押し付けたりするのではなく、読んだ人がそれぞれに何かを感じて、前向きな議論に進むお手伝いになるような記事をずっと書きたいと思っていました。入試不正のニュースが話題となっているタイミングで、わかりにくい部分もある本記事が多くの人に読まれたことに、驚きと感謝の念を抱いています。SNSでこの記事を論評してくださっているコメントをひとつひとつ拝読し、もしかしたら、ほんのほんの少しだけですが、この問題に対し前向きな議論が起きるお役に立てたのではないかと感じています(幻想かもしれませんが)。時差にもかかわらずドイツからインタビューを受け、内容確認にも真摯に対応してくださった岡本真希さんに心からの感謝をささげます。本当にありがとうございました。

市川衛

選出理由:東京医大の不正入試問題から波及した女性医師を取り巻く現状を、女性医師率の高いドイツの取材を通じ、日本に限らない普遍的な課題として浮き彫りにしました。

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北方領土に行ってみた(再訪)(小泉悠)

北方領土に行ってみた(再訪)-2(小泉悠)

筆者による受賞コメント:この度は3年ぶりのMVAということで大変光栄に思っております。北海道から間近に見える北方領土ですが、現在は残念ながら気軽に訪れられる場所ではありません。本稿が北方領土に関する理解の一助となればと願っております。

小泉悠

選出理由:ロシアの専門家である筆者による、北方領土の国後島と択捉島の訪問レポートです。なかなか知ることができない北方領土の実態が垣間見え、領土返還への道のりについて考えさせられる内容です。

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テレビは特定の話題に集中しすぎていないか?データで示す「集中砲火傾向」(境治)

筆者による受賞コメント:テレビの話題が集中していないか、最初に気になったのは昨年末にずーっと相撲界のことばかりやっていた時でした。日大アメフト部の時も、行き過ぎだと思いました。でもただ「多い気がする」と言うだけでは説得力がないのでエム・データ社に相談してデータを出してもらいました。けっこうな手間をおかけしたのですが、データ化するとやはり集中しているとはっきりしたので記事にしました。たくさん読まれましたが、こうして記事にしても現状は変わらない気もしています。このあと、何をすればいいか考え中です。賞をいただいたことで次への励みにしたいと思います。ありがとうございました!

境治

選出理由: 最近のテレビ報道への違和感に対し、豊富なデータを基に切り込んでいます。筆者の、テレビ報道への愛ゆえのムチでもあるように思います。

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本当に「命を守れる」防災を考える(1) ~防災気象情報:新情報を作れば、防災・減災につながるのか?~(片平敦)

筆者による受賞コメント:今回の豪雨は、事前に「危機」がある程度分かっていたのに、大きな被害が発生してしまいました。私自身、気象解説者として、差し迫る危機を精一杯訴えましたが、それでも甚大な被害が出てしまい、非常に悔しく苦しい想いを抱いたのが執筆の動機です。本当に「命を守れる」防災とは何か、様々な立場における問題点・改善策を示すことで、広く皆で考える契機になってほしいと願っています。

片平敦

選出理由:気象予報士、防災士である筆者が、甚大な被害が発生した「平成30年7月豪雨」を踏まえ、本当に「命を守れる」防災とは何かを考える連載記事。気象庁、地方自治体、住民など多角的な視点で課題を丁寧に掘り下げ、改善に向けた具体的な提言を行っています。

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仕事中の熱中症は「労働災害」 労災申請で治療費と給与補償を獲得する方法(今野晴貴)

筆者による受賞コメント:記録的な猛暑の中で、私が真っ先に思ったのは、「炎天下で働いている労働者たちの健康は大丈夫だろうか」ということでした。一方で、熱中症に限らず、日本の労働者はけがや病気を「私傷病」として、自己責任扱いにされるケースがあまりに多い。このことは、過労死・鬱などとも関連し、日ごろから問題提起しているところです。今回も、「権利」の問題を多くの方に知ってほしいとの思いで執筆しました。

今野晴貴

選出理由:歴史的猛暑の今年に大きな課題となった熱中症について、労働者の労災の観点からその認定状況や事例紹介、相談機関まで網羅的にまとめています。ブラック企業・労働問題と時事を絡めた提起を継続的に発信している筆者ならではのわかりやすく広く為になる内容です。

8月のMVC

『高速道路の高架橋崩落、35人死亡=老朽化が原因か-イタリア』の記事へのオーサーコメント(中澤幸介)

筆者による受賞コメント:月間MVCに選出いただき誠に光栄に存じます。今回の事故は、偶然にも2007年8月に発生した米ミネアポリス高速道路崩落事故を振り返って記事を書いている最中に起きました。他国で起きた事故や事件というのは、どうしても我が事に感じられず「このような事故は起きるはずがない」と考えがちです。しかし、実態を知れば、その根拠はあまりに乏しいことに気づかされます。どのような事故や事件でも、我が事として検証できるような記事、コメントを今後も書いていきたいと思います。

中澤幸介

選出理由:イタリアで多数の死傷者を出した高速道路の高架橋崩落事故。老朽化が原因と見られるという報道を受け、日本も決して他人事とはいえない状況について過去の経緯やデータとともに解説。危機管理の専門家として対策の必要性を訴えました。

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