年内の活動を終えたなでしこジャパン。日本女子サッカーは2017年、新たなステージへ向かう(2)
静岡県内で行われた日本女子代表候補のトレーニングキャンプでは、7日、地元の静岡学園高校とのトレーニングマッチが行われた。
試合後の高倉監督と川村優理(キャプテン)のコメントから試合を振り返る。
年内の活動を終えたなでしこジャパン。日本女子サッカーは2017年、新たなステージへ向かう(1)
【監督・選手コメント(トレーニングマッチ終了後)】
高倉麻子監督(トレーニングマッチ終了後)
ーー今日の試合を振り返っていかがでしたか?
相手が静岡学園だったので、もうすこしつないでくることを想像していたんですが、かなりのパワーと速さでゲームを進めてきたので、対応が難しい部分がありました。その中でも守備の連動にはトライしてくれましたし、体が一つ分、入らない場面でも、10のうち9負けているのを、今後は3つ、4つ勝っていかなければいけないと思います。判断のスピードや、体の強さなど、基準を常に高く持つために、(この試合で得た経験を)前向きに捉えて、またチャレンジしていきたいと思います。
ーー相手は男子高校生なので、こういう展開も予想されたのでしょうか?
マッチメイクは、チームの方向性を考えて対戦相手を決めています。前回の国内合宿で男子大学生チームと対戦して、自分たちの良いところも少し出しながらやれたので、それぐらいのレベルか、高校3年生か2年生との対戦を考えていました。高校2、3年生の、テクニックがあるチームとか、蹴り込んでくるチームなど、関係者に話を聞きながら決めていますが、バランスは難しいですね。男子の力を借りて、体の強さとかスピードへの対応を勉強できますし、選手も頑張ってくれましたが、ストレスが溜まる試合だったと思います。
ーーその中で、どのような収穫がありましたか?
ディフェンスのマークのズレやポジショニングを探りながら試合を進めてくれたので、攻撃のところでもマークを外したりとか、一回落ち着いてボールを収めることができれば、攻撃に移れそうな場面がありました。局面で(対)人に強いな、という選手もいましたし、速いプレッシャーの中でも局面を変えられる選手がいました。テクニックは荒いと感じる選手でも、体の強さを見せてくれたり、それぞれの良さがあるので、うまさと強さというところは両方求めていきたいと思います。今すぐにチームを完成させるということでもないので、まずは選手の見極めをして、選手を選んでいく中で、チームに合った戦術を考えていきたいと思います。やっぱり強いチームを作りたいですし、足先だけでうまいのではなくて、勝負強さとか、決めるところで決められるということも求めたいです。フィジカル面で日本が負けるという前提でサッカーを見たくはないので、こういう相手であっても、もっと球際などで抵抗できるようにならなければいけないと思います。
DF 川村優理(ベガルタ仙台レディース/トレーニングマッチ終了後)
ーー今日のトレーニングマッチを振り返って、いかがですか?
スピードとパワーのある相手に、自分たちが主導権を握ってボールを動かせませんでした。ああいう速い相手でも、もっとボールを受ける前にフェイントを入れて相手を外したり、その質にもっとこだわれたら違った試合展開になったと思います。
一つのパスのズレだったり、奪ってからのミスも多かったですし、前に行くために、チーム全体で精度を上げていかなければいけないなと思いました。ラインコントロールや横にスライドしながらのマークの受け渡しを同時にできたら、もうちょっとボールの奪いどころがはっきりすると思います。
ーーフィジカルの強い相手と対戦する中で、どのような収穫がありましたか?
ドリブルを仕掛けられた時に、スピードを吸収して弱めながら1対1でボールを奪うところでの対応は少しは出せたのではないかと思います。
ーー3本ともセンターバックでの出場でした。ご自身のプレーを振り返っていかがですか?
どの選手も同じ気持ちだと思いますけれど、ここに残るためには、本当にアピールが必要だと思うので。アピールしながらも、チームとして同じ方向を向いていい試合ができれば良かったですね。
ーーセンターバックでプレーすることの手応えは感じていますか?
ラインコントロールで相手のFWの動き出しを制限できて、その分、前からボールを強く奪いに行けます。自分たちが優位に試合を進められるし、自分の良さも出せるので、やりがいと楽しさがありますね。
(3)【選手コメント(トレーニングマッチ終了後/合宿終了後)】
に続く