FB反発も豪首相は対価支払い法制化の構え、ウーバーの運転手は請負にあらず 英最高裁
今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで
[1]FBによるニュース禁止措置も、豪政府は法制化進める構え
米フェイスブック(FB)がオーストラリア国内のサービスでニュース記事の共有・閲覧を禁じた措置を巡り、同国のモリソン首相は2月19日、ニュースコンテンツ使用料支払いの法制化を推進する方針を示した。ロイターが同日報じた。
モリソン首相は英国やカナダ、フランス、インドの首脳が豪政府を支持していると明らかにした。
豪政府は、IT大手に対し記事使用料の支払いを事実上義務付ける法の成立を目指している。法案では、報道機関が使用料の支払いを求めた場合、IT大手は交渉に応じる義務を負うとしている。双方が合意できなかった場合は政府が任命する仲裁人が使用料を決める。
フェイスブックはこれに反発。2月18日、豪国内サービスで、同国報道機関と海外報道機関の記事を遮断。豪報道機関の記事を世界中で閲覧できなくした。
モリソン首相によると、フェイスブックは西側諸国が豪政府の動きに追随する見通しであることを認識しているという。そのうえで同社に対し、建設的な対話を呼びかけているという。
また、フライデンバーグ豪財務相は2月18日以降、マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)と2度協議したことを明らかにした。
法案は、豪連邦議会下院ですでに承認されており、1週間以内に上院でも通過する見通しだと報じている。
[2]米電子商取引の支出額、コロナで3割増の7917億ドル
2020年における米国の電子商取引(EC)支出額は7917億ドル(約83兆6600億円)となり、前年から32.4%増加した。米CNBCが米国勢調査局のデータを基に2月19日報じた。
20年の全小売支出額は前年比3.4%にとどまった。全小売支出額に占めるECの比率は前年の11%から14%に上昇し、過去最高を更新した。
新型コロナによる巣ごもり需要の増加でECが活況を呈した。恩恵を受けた企業は、米アマゾン・ドット・コムや米ウォルマート、米ターゲット、米ベストバイ、米ホーム・デポなど。
従来は実店舗で購入されていた食品・飲料が大きく伸びた。スポーツ用品や楽器、書籍、家具、園芸用品、パーソナル・ヘルスケア用品も好調に売れたという。
[3]ウーバーの運転手は「従業員」、請負業者にあらず 英最高裁が判断
米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの元運転手らが英国で同社を訴えていた裁判で、英最高裁は2月19日、運転手を「従業員」と認める判決を下した。米ウォール・ストリート・ジャーナルや米CNBCなどが同日に報じた。
元運転手らは待遇改善を求めて提訴し、2016年に下級審で勝訴した。だが、ウーバーは「運転手らは自営の請負業者であり、当社の役割は乗客と運転手をアプリを介してつなげる仲介者」と主張。上訴していた。
英最高裁判事は19日、全会一致で下級審の判断を支持した。ウーバーによると、同社は訴訟が提起されて以降、疾病・労災保険を拡充するなどして運転手に対する保護を強化してきたという。
今回の判決が適用されるのは訴訟を提起した25人のみだが、同社は英国内のすべての運転手と意見交換を始めると発表。「協議を通じて運転手が望む働き方を把握する」としている。