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コロナ禍のお花見は密を避けて貸切露天風呂で!「絶景お花見温泉」3湯

山崎まゆみ観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)
貸切風呂でお花見すれば密も気にならない(撮影・筆者)

今週、春爛漫の鹿児島県霧島温泉郷に滞在した。辺り一面は春の匂いがした。

温泉入浴中に桜の花びらが舞った。薄桃色の花びらがはらりはらりと湯船に落ちる、匂い立つその風景に身を置けば、肌まで花びら色に染まりそうだった。

そう、私は温泉に入浴しながらお花見をしたのだ。

まさに、これぞ「絶景お花見温泉」だ。

お風呂ではマスクなしでお花見できる(撮影・筆者)
お風呂ではマスクなしでお花見できる(撮影・筆者)

お花見温泉のいいところは、裸でお花見できること。マスクせず、のびのびと桜を愛でることができた。

その開放感たるや!

小さなことで悩んでいる自分なんか、もう、どうでもいい。

そんなおおらかな気持ちになれたのは、「温泉」と「桜」という日本人が大好きな二大要素が共演した魔法のおかげだろう。

そこで花びら舞う「絶景お花見温泉」をオススメしたい。

鹿児島県霧島温泉郷丸尾温泉 旅行人山荘

5万坪という広大な敷地に、宿泊棟と野趣溢れる貸切風呂が大自然の中に点在している。この宿では宿泊棟の大浴場、客室、食事処をはじめ、至るところから桜島と錦江湾が眺められる

ほんの数日前、私が入浴中にお花見したのは、宿泊棟にある貸切半露天風呂「鹿の湯」でのことだ。

この「鹿の湯」には、浴場専用の車いす「シャワーキャリー」が常設してある。私はここまで絶景のバリアフリー対応の貸切風呂は見たことがない。

旅行人山荘のバリアフリー対応の貸切風呂「鹿の湯」(撮影・筆者)
旅行人山荘のバリアフリー対応の貸切風呂「鹿の湯」(撮影・筆者)

旅行人山荘の「鹿の湯」にて(撮影・筆者)
旅行人山荘の「鹿の湯」にて(撮影・筆者)

ちなみに、宿泊棟にある大浴場「大隅の湯」からは桜とその奥は錦江湾と桜島が拝める。「大隅の湯」から見える桜はあと1週間程で見ごろだそう。

旅行人山荘の「大隅の湯」から桜と桜島の風景が楽しめる(写真・旅行人山荘より提供)

神奈川県強羅温泉 円かの杜

この宿は飛騨高山の名門旅館がルーツで、箱根強羅でありながらどこか飛騨の香りがする。フロントロビーは、鳥海山の麓で太古から眠っていた神代欅(けやき)を中心に、杉や檜が使用されている。2014年のオープンから時間が経ったこともあり、かつて白木だった神代欅も今では薄茶に色味がかっている。全館素足で歩ける畳敷きも嬉しい。

旅館の館愛を素足で歩けるのは嬉しい(撮影・筆者)
旅館の館愛を素足で歩けるのは嬉しい(撮影・筆者)

客室数20室と小規模で、全室に露天風呂が付く。客室からも露天風呂からも箱根の外輪山の稜線が眺められ、露天風呂の横にあるウッドチェアに身を任せれば、ゆったりとした時間を過ごせる。

円かの杜は全ての客室にこうした露天風呂が付いている(撮影・筆者)
円かの杜は全ての客室にこうした露天風呂が付いている(撮影・筆者)

大浴場に行かずとも、部屋で温泉を愉しむことができる理由は、敷地内に源泉が2本もあるから。

桜が眺められるのは大浴場の露天風呂。まさに頭上から桜の花びらが舞ってくる。湯船の中にも花びらがぷかぷかと浮かぶ。

静岡県桜田温泉 山芳園

温泉地名そのままの、桜の園にある温泉宿だ。

山芳園の前は眩しい程に桜だらけ。

ちなみに山芳園は、地中から湧きだした新鮮な温泉を空気に触れさせずに湯船に注ぐという独自のシステムを開発したほど、源泉にこだわり抜く。そのこだわりの山芳園の源泉は「桜田温泉オンラインショップ」でも販売している。

山芳園のこだわりの源泉に入ると、温泉の概念が覆される程の力強いお湯に感動する(撮影・筆者)
山芳園のこだわりの源泉に入ると、温泉の概念が覆される程の力強いお湯に感動する(撮影・筆者)

観光ジャーナリスト/跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)

新潟県長岡市生まれ。世界33か国の温泉を訪ね、日本の温泉文化の魅力を国内外に伝えている。NHKラジオ深夜便(毎月第4水曜)に出演中。国や地方自治体の観光政策会議に多数参画。VISIT JAPAN大使(観光庁任命)としてインバウンドを推進。「高齢者や身体の不自由な人にこそ温泉」を提唱しバリアフリー温泉を積極的に取材・紹介。『行ってみようよ!親孝行温泉』(昭文社)『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)『宿帳が語る昭和100年 温泉で素顔を見せたあの人』(潮出版社)温泉にまつわる「食」エッセイ『温泉ごはん 旅はおいしい!』の続刊『ひとり温泉 おいしいごはん』(河出文庫)が2024年9月に発売

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