白菜が余りそうなら【発酵白菜】にしよう!食育インストラクターがおすすめする簡単旨みアップの保存食とは
冬が旬で安く手に入ることも多い白菜。お鍋には欠かせない素材ですね。でも、一球まるごと使い切るとなると量が多すぎて困ることはありませんか?
白菜を切ってしまうと傷みやすくなるので、すぐ使わない分は「発酵白菜」にしてはいかがでしょうか。簡単なのに白菜の美味しさが増す保存食・発酵白菜をご紹介します。
発酵白菜とは
発酵白菜とは、塩を加えて白菜が持つ乳酸菌で発酵させる漬物です。日持ちがきく上に旨みと乳酸菌たっぷりの体に良い素材に進化します。
普通の白菜漬けとはやや風味が異なり、加熱する料理に使うとより美味しいので炒め物や鍋の材料としてアレンジできる、便利食材です。また同じく発酵させる白菜キムチとも違って材料は塩だけ!簡単なので早速作ってみましょう。
発酵白菜の作り方は3%の塩がポイント
白菜は2センチ幅くらいにざく切りにします。好みでもっと細かく刻んでもいいでしょう。細く切るほど水分が早く出ますし、料理へのアレンジもしやすいです。
袋に入れて重さを計りましょう。これは塩の量を決めるのに大切です。
白菜の重さの3%の塩をまぶします。今回は約660gの白菜に対して20gの塩を入れました。白菜が500gなら塩は15gです。
白菜の量に合わせて計算すると塩の量が細かく計りにくいことがありますが、長く保存する予定なら多め、1週間程度で食べてしまう予定なら少なめのキリの良い数字に合わせるといいでしょう。
袋の空気を抜いて常温に数日おきます。浅漬け風に食べる予定なら、次の日水分が出てきたところで昆布を足してもよいです。
3日ほどじっくり待つとブクブクと泡が出てきます。発酵している証拠です。泡が出てきているのを確認したら、発酵スピードを遅らせて旨みをじっくり引き出すために冷蔵庫で保存します。
発酵白菜は長期保存が可能
発酵白菜は冷蔵庫内でも徐々に発酵が進み、味わいが変化していきます。2週間くらいで適度に熟成し、酸味と旨みは絶妙な味わいに。この頃までに食べきるのが最もおすすめです。
しかしもっともっと長く保存しても大丈夫、というのが発酵白菜のすごいところ。元々は中国の冬の保存食なので、半年くらいは十分保存できるんです。徐々に酸味が増えますが、古漬けになった発酵白菜は炒め物にしたり餃子にしたりするととても美味しいです。
袋で漬けている場合、しっかり空気を抜いて水分が全体にかぶるようにしておくのが傷まないコツ。発酵が進むにつれて色は茶色っぽくなりますが心配ありません。長期保存して色々な段階で味見をしてみるのも楽しいですよ。
発酵白菜を使った簡単おかず3種
発酵白菜は保存しながら少しずつ料理に活用しましょう。我が家でよく作る3品をご紹介します。
浅漬けの頃はナムル風の和え物に
漬けた翌日など発酵が浅い段階では生のままご飯のおともに。ちょうど白菜の浅漬けの状態です。(ただし、3%の塩で漬けているのでしょっぱめです。)簡単アレンジとして豆板醤、ごま油、小ネギと和えるとナムルみたいな副菜に。
しっかり発酵したら豚バラと発酵白菜の鍋
1週間から2週間置いて熟成した発酵白菜を鍋の材料として使います。味のイメージとしては辛くないキムチ鍋。生の白菜を使うときより、旨みが数倍増しています!
スープは塩ニンニク味がよく合います。発酵白菜の塩気と酸味を考慮してスープの味付けを調整してください。
豚バラ薄切り肉と発酵白菜だけのシンプルな鍋が一番オススメですが、お豆腐や春雨など淡白な食材を入れてボリュームを出すのも美味しいですよ。
発酵白菜のひき肉あんかけ
ご飯に合うおかずにするならあんかけもおすすめ。ひき肉ときのこを炒めたところへ発酵白菜を汁ごと加えます。ここで一度味見をしてみましょう。酸味がきついようなら砂糖少々を足してさらに加熱します。
最後に片栗粉でとろみを付けます。塩コショウで味を整えてできあがり。これ、チャーハンにかけても美味しいですよ。
発酵白菜は他のうま味調味料を足さなくても十分旨みが感じられます。そして白菜自体は水分が抜けているせいか、加熱してもシャキシャキ感が残るというのもおもしろいところ。
まとめ
白菜の美味しい保存食「発酵白菜」をご紹介しました。冷蔵庫で長ければ数ヶ月持たせることができるので、白菜が安いときにまとめて作っておくと便利です。
乳酸菌の作用で発酵し白菜の旨みもアップ。発酵食品なのでお腹のサポートにも役立ちます。ぜひいろいろな料理に使いまわしてみてください。
***【大人の食育】***
「保存が効いて旨みが増す発酵白菜」についてのこの記事、いかがだったでしょうか。食材の流通について知ったり、食材を育ててみる、食材を無駄なく使い切る工夫、栄養や美味しい組み合わせを知るといった取り組みは全て「食育」に含まれます。
調理師・食育インストラクターである著者racssのコラムでは健康的な食生活につながる「大人の食育」を意識したテーマで書いています。「へぇ~なるほど、やってみようかな」「子どもたちにも伝えてみようかな」と思っていただけたら幸いです。よかったらracssをフォローして他の記事もお読みくださいね!