タイガースが10年ぶりにポストシーズンへ進めたのは、ホワイトソックスのおかげ!?
デトロイト・タイガースは、86勝76敗を記録し、ワイルドカードの3番手としてポストシーズンに臨む。カンザスシティ・ロイヤルズも86勝76敗だが、タイガースはロイヤルズに負け越している。
今シーズンが始まる前の時点で、タイガースの9年連続ポストシーズン進出なしは、ロサンゼルス・エンジェルスと並び、継続中の最長だった。
タイガースは、夏のトレード市場でジャック・フレアティをロサンゼルス・ドジャースへ放出するなど、売り手に回った。けれども、そこから浮上した。それについては、先月中旬にこちらで書いた。
◆「タイガースはワイルドカードの3位と1.5ゲーム差。夏にフレアティをドジャースへ放出したのに!?」
オプタ・スタッツによると、150安打以上の選手、75打点以上の選手、25本塁打以上の選手、25盗塁以上の選手が、いずれも皆無ながら、162試合のシーズンにポストシーズン進出は、今シーズンのタイガースが初めてだという。
それぞれのチーム・トップは、134安打のライリー・グリーンとコルト・キース、74打点と24本塁打のグリーンに、16盗塁のザック・マッキンストリーだ。20本塁打以上と二桁盗塁の選手は、他にはいない。
タイガースの出塁率.300は、ア・リーグの15チームのなかで2番目に低い。下にいるのは、41勝121敗のシカゴ・ホワイトソックス(出塁率.278)だけだ。また、タイガースは、得点も682と多くなく、リーグ9位に位置した。
一方、チーム防御率3.61は、ア・リーグ3位。奪三振率は低いものの、ゴロ率が高く、与四球率は低かった。
タイガースとロイヤルズより1勝少なく、ポストシーズン進出を逃したシアトル・マリナーズは、リーグ・ベストの防御率3.49を記録した。676得点は、タイガースに次ぐ10位だ。得失点差は、タイガースが+40、マリナーズは+69だった。
ちなみに、マリナーズでは、フリオ・ロドリゲスが155安打、カル・ローリーが100打点と34本塁打、ディラン・ムーアとビクター・ロブレスが32盗塁と30盗塁。ロブレスは、シーズン全体で34盗塁だ。マリナーズへ移る前に、ワシントン・ナショナルズで4盗塁を記録した。
同地区にホワイトソックスがいなければ、タイガースとロイヤルズ、あるいはどちらか1チームは、ポストシーズンに進めなかったかもしれない。両チームとも、ホワイトソックスと13試合ずつを行い、タイガースは10勝、ロイヤルズは12勝を挙げた。マリナーズは、7試合で6勝だ。
ア・リーグの歴代ワイルドカードを地区ごとに分けると、東地区のチームが圧倒的に多い。2018~23年の過去6年に限ると、中地区のチームは、2020年のホワイトソックス(35勝25敗)だけだ。2020年は、新型コロナウイルスのパンデミックによってシーズンが短縮され、各地区1位と2位のチームに、それ以外の上位2チームがワイルドカードとしてポストシーズンに進んだ。
とはいえ、タイガースもロイヤルズも、10月1日から始まるワイルドカード・シリーズを勝ち上がってもおかしくない。
タイガースでは、第1戦の先発マウンドにタリック・スクーバルが上がる。今シーズンのスクーバルは「投手三冠」。FIP2.49もリーグで最も低く、サイ・ヤング賞に選ばれるはずだ。第2戦は未定ながら、リース・オルソンの可能性が高そうだ。こちらは、先発22登板の112.1イニングで防御率3.53とFIP3.17を記録している。
ロイヤルズの先発投手は、コール・レイガンズとセス・ルーゴだ。今シーズンは、どちらも185イニング以上を投げ、防御率は3.14と3.00、FIPは2.99と3.25。レイガンズの奪三振率10.77は、スクーバルの10.69を上回り、リーグで最も高い。
タイガースの相手は、ヒューストン・アストロズだ。ロイヤルズは、ボルティモア・オリオールズと対戦する。