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「うちの子は甘えすぎ?ワガママがすぎる?」と感じたら

親野智可等教育評論家
(写真:イメージマート)

子育て中の親御さんの中には、「うちの子は甘えすぎ?ワガママがすぎる?」と心配になる方々も少なくないようです。

私の経験でいうと、基本的に親に甘えられてワガママを言える子のほうが健全に育っていることが多いです。そもそもワガママを言えるのは、親子関係がよくて親を信頼している証拠です。信頼しているからこそ、安心して本音が言えるのです。

そして、うちでちゃんと甘えられている子は心が満たされています。そういう子は、園や学校で過度に自己中心的に振る舞う必要もありません。

また、精神的に安定していて友達にも優しく接することができます。親子関係がよいことで他者信頼感が育っているので、友達ともよい関係がつくれるのです。

うちで十分甘えられない子もいる

でも、子どもの中にはうちで十分甘えられない子もいます。例えば次のような親だとそうなります。

・しつけ優先でよく叱る

・完璧主義で細かいことも見逃さない

・否定的な言葉や一方的な指示・命令が多い

・勉強や運動などでよい結果を求めすぎる

・不機嫌で子どもを支配する

・子どもの話を聞いたり気持ちを汲んだりしない

・恐怖で子どもをコントロールする

これだと、子どもは親に甘えられませんし、ワガママなど言ったら叱られるだけです。いつどんな理由で叱られるかわからないので、常にビクビクして過ごさなければなりません。恐怖心からいつも親の顔色をうかがうようになります。

それで、親の気持ちを先読みして行動したり、親の言うことをよく聞くようになったりします。表面的には手がかからなくなるので、成長したと勘違いする親もいます。

でも、学校とか友達同士でいるときなど親のいない状況で反動が出ます。例えば、自己中心的、衝動的、攻撃的になるなどです。心理学では恐怖心の反動は攻撃性だと言われています。恐怖をもとにした子育て・しつけ・教育はすべて間違っています。

子どもにとって必要なのは恐怖ではなく愛です。ただし、親は愛情のつもりでも子どもに伝わらなければ意味がありませんので、子どもが親の愛情を実感できるようにしてあげることが何よりも大切です。

教育評論家

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOk』などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Instagram、Threads、Twitter、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。オンライン講演も可。お問い合わせは親野智可等の公式サイトから

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