「子どもは気楽」というのは大人の偏見 実は大人より大変
大人から見ると子どもはみんな気楽に見えます。でも、決してそんなことはなく、ああ見えてもけっこう大変なんです。
クラスには馬の合わない子もいます。言葉や行動が激しい子もいます。先生と馬が合わないこともあります。やたらに叱る先生もいます。
園や学校では、やりたくないのにやらなければならないことがたくさんあります。また、たとえやりたいと思っても能力的に未熟でうまくできないこともたくさんあります。
でも、みんなと同じことを同じペースでやらなければなりません。
これは大人が思う以上に大きなストレスです。どの子にも生まれつきの資質や発達の凸凹や得意不得意があるからです。
●子どもはまだ自分のトリセツがわかっていない
そもそも子どもは自分自身の性格・能力・得意不得意などもよくわからないので、自分とどう付き合えばいいのかもよくわかっていません。言い換えると、自分のトリセツがまだわかっていないということです。
大人だったら自分のトリセツもわかっていますし、問題があったとき解決方法を工夫したりうまくごまかしたりする能力もあります。
でも、子どもは自分のトリセツもわからないうえにこういう能力もないのです。こうしたことが全て子どもの生きづらさにつながっています。
それに加えて、家庭でも園や学校でも大人は圧倒的な権力を持っていて、子どもの気持ちはなかなか通りません。何かにつけ大人からいろいろなことを押しつけられたり、嫌なことも嫌と言えなかったりすることが多いです。
大人のようにうまく断ったり逃げたり、上手に嘘をついてごまかしたりすることもできません。
このようなわけで、子どももけっこういろいろ大変であり、気楽に見えるというのは大人の偏見です。私には、大人よりかえって子どもの方が大変なのではないかとすら思えます。
●家庭ではリラックスして幸せな気持ちで
そんな中で子どもはみんな自分なりに精いっぱいがんばって生きています。ですから、せめて家庭ではリラックスして過ごせることを最優先にしてあげてほしいと思います。
家庭は、子どもにとって子宮の延長であり心の安全基地です。温かい家庭でリラックスして幸せな気持ちで過ごせることは本当に大事で、そこで充電できて初めて外でがんばることもできるのです。
もちろん時間が無限にあるわけでもないですし、親の方にも都合がありますので、時間内に子どもにやらせなければならないこともたくさんあります。
でも、そういうときもできるだけ否定的に叱ったりガミガミ追い立てたりするのは控えて、可能な限り肯定的な言葉や共感的な言葉で接してあげてください。
例えば身支度に時間がかかり幼稚園バスに遅れそうだというとき…。子どもが「自分でボタンはめる!自分でできる!ママやらないで」と言っている…。でも、時間がかかって幼稚園バスに間に合わない…。
●叱らずに実力行使しよう
そういうときは、「自分でやりたいよね。自分でできるよね。この前もできたもんね」と共感したりほめたりしながら実力行使で親がさっさとボタンをはめてしまって、子どもを抱きかかえて幼稚園バスがくるところまで連れて行って「はい、行ってらっしゃい」と送り出せばいいと思います。
幼稚園バスに遅れるわけにはいかないのですから、こういう実力行使もときには必要です。
でも、そのとき「何言ってるの!ダメでしょ。間に合わないでしょ」などと叱りながらやるからよけい修羅場になるのであり、後味も悪くなってしまうのです。共感したりほめたりしながらのほうがはるかにマシです。
これは一つの例ですが、とにかく家庭では否定的に叱ったりガミガミ追い立てたりするのは極力控えて、リラックスして幸せな気持ちで過ごせるようにしてあげてほしいと思います。
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