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子どもの苦手や短所を直すことに手こずっている親が見落としていること

親野智可等教育評論家
(写真:アフロ)

世の中で活躍している人のほとんどは、自分の得意を活かして活躍しています。自分が好きなことややりたいことを楽しみながらやり続け、それで人より得意になったというケースがほとんどです。

自分が苦手だったことを直して、それで活躍している人というのは非常に希です。中にはそういう人もいるかもしれませんが、かなりの少数派でしょう。

自分の好きなことをやって得意な土俵で勝負する、というのが正しい人生戦略だと思います。特にこれからの時代はそうなるでしょう。ですから、親もそのつもりで子育てや教育に臨む必要があります。

子どもの苦手や短所を直すことに時間とエネルギーを注ぐのは、やめたほうがいいと思います。苦手や短所をいつまでもつついていても、決していい芽は出てこないからです。

そこには目をつむる勇気が必要です。目をつむらずにいつまでもそれを叱っていると、長所まで消えてしまいます。

先に伸ばせるところをどんどん伸ばそう

それより、本人が好きなことややりたがることを応援してたっぷりやらせてあげましょう。そうやって、先に伸ばせるところをどんどん伸ばしましょう。

そうすれば、親子関係がよくなって子どもの自己肯定感も上がります。それによってよい循環が始まれば、苦手や短所が目立たなくなります。

場合によってはちょっと改善することもあるかもしれません。ただし、それを期待すると振り出しに戻りますので、期待しないようにしましょう。

もちろん、子どものことですから途中で飽きてしまうこともあります。そういうときは別のものが見つかっているのですから、今度はそれを応援してあげましょう。

このような繰り返しの中で、自分がやりたいことを自分で見つけてどんどんやっていく自己実現力が育ちます。これからの時代にはこの能力が非常に重要です。

子育て・教育観のアップデートが必要

昭和・平成の時代に重要だったのは人から言われたことをちゃんとやる能力でした。つまり、よい歯車としての能力です。ですから、子育てや教育もその方向で進められました。

そういう時代には、個人の長所や得意を磨くことよりも、短所を直して人並みの歯車になることが優先されました。

でも、時代は大きく変わりました。これからは仕事でもプライベートでも自分の長所や得意を発揮して自分らしく生きられる人、自分がやりたいことを自分で見つけてどんどんやっていく自己実現力のある人が大活躍するのです。

このように時代は変わったのですから、子育てや教育も変えていく必要があります。親は自分が受けた子育てや教育と同じ発想で今の子どもに臨むのではなく、アップデートが必要です。

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教育評論家

教育評論家。本名、杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOk』などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Instagram、Threads、Twitter、YouTube、Blog、メルマガなどで発信中。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。オンライン講演も可。お問い合わせは親野智可等の公式サイトから

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