暑さでしばらく走らなかったら、どのくらい遅くなっちゃうの?
読んで頂いてありがとうございます!
たくや/ランナーです。都内で医師&ランニングコーチをしています。
今回はトレーニングの中断によるパフォーマンスの低下について書きます。
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はじめに
最近は暑い日が続いています。そんな時は思うように練習ができないこともあると思います。
ですが8月の北海道マラソンをはじめ、わっかない平和マラソン、網走マラソンや榛名湖マラソンなど、8月・9月にもフルマラソンはあります。「大会に向けて休んでいる場合ではないのに!」と思っている方も多いと思います。では夏の暑さで休んでしまったら、どの程度能力が低下してしまうのでしょうか。みてみましょう。
トレーニングの中断によるパフォーマンスの低下の文献より
実際の文献からみてみましょう。トレーニング管理アプリのStravaから得たデータの解析で、フルマラソンの大会前約3ケ月(12週間)において7日間のトレーニング中断が、どの程度パフォーマンスに影響したのかを解析したものです。2014~2017年の間にフルマラソンを完走したランナーの29万人を調べてみると、男性ランナーは58%で女性ランナーは55%と、半数以上で7日以上のトレーニングの中断がみられました。
そしてそのランナーは、どの程度パフォーマンスが低下したかをみてみます。
パフォーマンスの低下の結果①
1週間以上2週間未満のトレーニングの中断で4.25%記録が低下しました。フルマラソン3時間のランナーで3時間7分39秒、4時間のランナーであれば4時間10分12秒程度になると予想されます。そしてトレーニングの中断が長くなると、4週間以上で8%程度までタイムが低下することが予想されます。
パフォーマンスの低下の結果②
ですがこれは、どんなランナーでも同じように低下していた訳ではありません。
・男性
・40歳以下
・レースまで近い(3-7週)
・ベストタイム4時間以下
のランナーの方が、記録の低下は大きかったようです。
特に高齢者は熱中症のリスクが高いとも言われています。夏場は無理をしないようにしましょう。
まとめ
この時期は早朝でも暑さ指数が高く、運動~激しい運動は中止とされる日が続きます。トレーニングを中断せざるを得ない日が続いても、マラソンは多少下方修正するだけで、しっかり走れます。暑い日のトレーニングはあまり無理をせずに、そして本番では多少下方修正してペース設定する。夏や初秋のレースは、そんな戦略で挑むのがよいと思います。
記録に挑むのは、晩秋以降のシーズンインしてからで十分です。
以上、最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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たくや/ランナーについて
中学・高校・大学と陸上競技部で、そして卒業後もランニングを続けています。フルマラソンのベストは2時間50分。
今は都内の病院で勤務をしつつ、ランステでコーチをしています。
発信はおもにNOTEでしています(ビアランニングドクターのNOTE)