体験談 なぜ九州の台風で「東海道新幹線」は止まったのか どうすれば難を逃れられた?
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
大雨の影響で遅れが生じていた東海道新幹線は、29日(木)18時50分に、終日の運休を発表しました。30日(金)は始発から終日、三島~名古屋の間で運休が決まっており、影響は甚大です。(Yahoo!ニュース)
現在の運転状況は、JR東海公式が便利です。今後運転再開の見込みが立っている場合、「発車順序案内」に掲載されます。
今回は、29日(木)に東京から三島を往復した筆者が、①なぜ台風から遠い東海道新幹線が止まったのか、②今後どういった点に気をつければよいのかを考えてみました。
まさか止まるはずはないと思っていた東海道新幹線
29日(木)に静岡県の三島に予定があった筆者(東京在住)ですが、台風の進度は日に日に遅くなり、九州の西を進んでいると聞いていたため、この日に東海道新幹線が止まる可能性は、ほとんど考えていませんでした。
ほかにも同様の考え方を持っていた方が、多かったようです。
しかし、考え方が変わったのが、前日に見たこの積算雨量図。
台風は九州の西を進んでいるはずなのに、今回新幹線が止まった原因となった静岡~掛川間に近い、御前崎の雨量が尋常でなかったのです。
なかなかピンと来なかったのは、「台風は九州、静岡で大雨」という矛盾した情報を人の脳はすんなりとは受け入れない面があったのでしょう。ようやく静岡~掛川付近で新幹線が止まる可能性が急に現実のように感じられ、翌日の予定を立て直しました。
気象的な背景には、台風の外側に広がる活発な雨雲「アウターバンド」の存在があるようです(別に「クラウドクラスター」という用語もあります)。
当日は5時間早く三島入り
29日(木)当日、人気がありなかなか予約が取れない歯医者の予約をキャンセル。朝、歯医者に立ち寄ってから、三島に向かう予定だったのです。
キャンセルはもったいなかったですし、歯医者にも迷惑をかけたのですが、予定より5時間も早く三島に到着。
時間があったため、沼津港に立ち寄ることができ、なかなか買えなかった、午前中で売り切れてしまう評判のあんぱん(恵比)を購入できました。
まだ雨も降っていない段階で、せっかく立てた予定をキャンセルするのは勇気がいるものです。
しかし想像力を働かせ、念のためにキャンセルをしたのは無駄ではなかったと思いますし、現地で時間ができたメリットもありました。
路線バスの5倍の費用をかけ、5分早いタクシーに
午後、三島周辺で無事仕事が終わり、三島駅に向かいます。雨はまだ小降りでした。
少し待てば路線バスがやってくるのですが、念のためタクシーの配車センターに聞くと、バスの時刻より5分だけ早く到着すると言います。
5分の差ならバスを待とうかとも思いましたが、妙な勘が働き、5倍以上の費用をかけタクシーで向かいました。
人間の脳は、その場で体感できる情報を重視してしまうもの。雨はごく小降りで、バスで帰れば節約できるかな?という気持ちもあったのですが、ここはタクシーで正解でした。
東海道新幹線がついに止まり始めた!
三島駅に到着しても雨は小降り。しかし、静岡~掛川では豪雨だったのでしょう。
16時25分ごろ、岡山行のぞみ45号が、通過するはずの三島駅付近で減速し、ついにストップ。この先、静岡方面の列車が詰まり出したのかも知れません。
筆者は、タクシーに「課金」したお陰で、1本早いこだま730号(三島16時27分発東京行き)に飛び乗ることができました。
結果的にこのこだま号は、途中止まらずに新横浜駅まで到達。新横浜まで来れば、現在は東急線で東京方面に出られます。
結果的に、こだま730号は新横浜駅で45分間ほど停車。
大雨で不通になったのは、静岡~掛川間なのですが、そこをめがけて東西からやってくる列車が順次詰まってゆき、できる限り対応が効きやすい駅に停めておくという方針があるようです。
駅も埋まってくると今度は駅間に停めるという手順でしょう。
静岡~掛川間の大雨で、なぜ全線が止まってしまうのか、実体験してみれば簡単な、その仕組みが理解できました。
45分後、品川駅のホームが1つ空いたため、向かいのホームにいたのぞみ号が品川まで向かうことが決定。無事、1時間弱の遅れで品川へ到着できました。
多くの人が困り果てた様子で待つ品川駅
18時ごろの品川駅です。すでに、新大阪~東京駅の全ホームが新幹線で埋まり、駅間にも列車を置き始めていた頃でしょうか?
新幹線は動かず、品川駅では多くの人が、運転再開を待っていました。結局静岡~掛川の雨は止まず、18時50分には全列車が運休となってしまいました。
地理や古いことわざも役に立つ?
帰路、そういえばブラタモリ大井川編で、「越すに越されぬ大井川」の民謡が紹介されていたことを思い出しました。
流域は多雨地帯で、大雨のたびに洪水を起こす暴れ川だったという解説もありました。
厳密には多雨地帯は大井川上流の話で、下流の御前崎や、静岡~掛川の区間には直接は関係がないかも知れませんが、地理に関心を持ち、「越すに越されぬ大井川」「暴れ天竜」といった、昔から伝わる言い回しに注意を払うことも重要だと感じました。
大井川は、東海道新幹線の不通か所、静岡から掛川の間を流れ、まさに超すに越されぬ大井川だったのです。
【ブラタモリ大井川 全ロケ地】タモリさんが奥大井湖上駅へ#225(とらべるじゃーな!)
今回の筆者の教訓は次のようになります
①天候は複雑に影響し合うので、ピンとこない情報でもしっかり吟味。
②事前の予定のキャンセルは、もったいないが、予定を変えれば良いこともあるかも知れないと考える。
③5分でも稼ぐ! 今回は5分だけ早く来たタクシーに「課金」したことで、1本早い新幹線となり難を逃れた。
④現地の「体感」から判断しない。今回行く先々で曇りか小雨が多かった。そのことで、何とかなるのでは?と考えそうになったことが何度かあった。
⑤地理に関心を持ち、昔から伝わる言い回しに注意を払うことも重要。
東海道新幹線の運休で、駅で長時間待たされたり、予定を変更せざるをえなかったり、想定外の出費となってしまったり、大変な思いをされた方が多いと思います。
今回は自分も紙一重でしたので、今後に役立ちそうな情報を記しました。ご参考になれば幸いです。
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