世にも奇妙な「駅弁スタイル」 100年続く発掘して食べる3色だんごとは??
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
鉄道のまち、新津
新潟県の鉄道のまち、新津。
かつては、上野からの特急とき(在来線)が停車し、秋田や会津若松方面へも鉄道が伸びる、新潟県の要と言える駅でした。
広い構内には、現在は持て余し気味の線路群が広がります。
上越新幹線が新津を通らないこととなり、駅は寂れ、現在では新潟周辺の小さな地方都市といった位置づけです。
最盛期の姿を伝える三色団子
そんな新津駅の最盛期の姿を伝えるのが、この「三色だんご」です。
1916年(大正5年)に発売。かつては駅弁と一緒に売られ、家族やグループでシェアしやすい形がこれだったようです。例えば4人組なら、駅弁4個と3色団子1箱というような買い方だったのでしょう。
開けたところです。包装は簡易的。
あんの地層に団子が埋まっていますので、発掘して食べます。
だんごの数は24個。3でも4でも6でも8でも割り切ることができ、1度に食べ切ることを前提とした包装。家族の人数が多かった時代を思い起こさせます。
だんごは県産コシヒカリの上新粉(米粉に近い製法)で作られ、1つ1つ手作業で詰め込まれています。
こしあんは、やや甘さ控えめ。弾力は伊勢の赤福にはかないませんが、柔らかくて食べやすく、どんどんなくなってゆきます。白あんも甘さはやや控えめ。
ごまは少しパサパサしますが、食べやすいように、2020年から木のスプーンが付いています。
こだわり抜いた高額の団子には劣るかも知れませんが、コスパが良く、手作りのためスーパーで売られている全国流通のだんごより断然上。3色で駅弁スタイル(折箱入り)という特徴が100年続く人気の秘密です。
※価格は756円
新潟駅でも販売
ニューデイズ(ND)各所で販売しています。当日午前に入荷し、売り切れ次第終了。NDミニ新潟2F3、ND在来線改札内、ND新潟東口、ND新潟西口。
新津鉄道資料館
国鉄型の特急車両や、引退した新幹線のMax2階建て車両を保存する新津鉄道資料館。こちらも、鉄道のまち新津の歴史を感じることができます。駅からタクシー利用がおすすめ。
信濃川と阿賀野川にはさまれた丘陵地帯のへりに位置する新津は、会津街道と羽越街道の分岐点となり、交通の要所だったのです。城(新津城)もありましたが、現在は新津自動車学校となっており、城址標柱が残るのみです。
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