秋に北陸新幹線で訪ねるなら、混雑する金沢より「福井」が狙い目? ブラタモリも訪ねた静かな一乗谷
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
ずいぶん過ごしやすい気候になりましたが、秋から冬の旅の計画は、進んでいらっしゃるでしょうか?
北陸新幹線なら金沢より福井?
2024年3月の敦賀開業が話題となった北陸新幹線。写真は「途中駅」となった金沢駅の今週の平日の様子です。
結論から言えば、敦賀開業後も金沢は大混雑。外国人や日本人、団体旅行客、修学旅行生、出張客と、ありとあらゆる属性の方が押し寄せています。
そこで、静かな旅を望む方におすすめしたいのが福井。
恐竜には興味ないよ? どうせおもちゃでしょ? とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、この駅前の恐竜はリアルで本物さながら。ときどきまるで生きているかのように動き、恐竜は何体も置かれます。
読み取って欲しいのは、金沢に押されがちな福井の「本気度」。静かで質の高い観光地がそろっています。
戦国時代が丸ごと出土した「一乗谷」
福井の本気度がうかがえるのが、戦国時代に福井(越前)の中心だった一乗谷(いちじょうだに)にある県立博物館。
新装なった建物も目新しいですが、受け付けが手厚く、まるで国際空港のグランドスタッフのよう。
一乗谷からの戦国時代の出土品も素晴らしいですが、驚いたのが、大名が住んだ朝倉館(城にあたる建物)を原寸大で屋内(2階)に再現した施設。
当初は訪ねるスケジュールになく、外から見たときは「豪華な斎場」に見えたのは内緒ですが、県の力の入れようが存分に伝わります。
至近のJR越美北線・一乗谷駅は、運転本数が少なく利用者はわずかですが、田園風景が素晴らしく、ぜひ乗りたい列車です。
なお、越美北線に並行して、福井から路線バスが運転されています。
戦国大名が住んだ朝倉館
一乗谷の中心は、戦国大名の朝倉義景(よしかげ)が住んだ朝倉館。戦国時代の城は天守閣はなく、屋敷の形式が普通でした。
高い土塁、水堀の外には、天然の川が流れ3重の守りとなっています。さらに城下町に武士が住み、堅固な城門も備えました
室町幕府将軍の足利義昭を迎えてもてなした記録もあり、舶来の高級品のベネチアグラス(イタリアのベネチア産)も出土しています。
このように越前国の一乗谷城は、繁栄と堅固の守りを誇りましたが、織田信長の焼き討ちに遭い滅亡してしました。
その後、安土桃山、江戸、明治……と長い時が流れます。
福井の中心は現在の福井市に移り、一乗谷は田んぼとして使われていたため、田んぼの水が、戦国時代の貴重な区画や品物を守った奇跡のような場所です。神様がくれたタイムカプセルと呼んでもよいでしょう。
朝倉館跡の向かいには、戦国時代の区画を生かし、武家屋敷の町並みが復原された場所もあります。
写真は平日ではありますが、人出は金沢に比べ非常に少ないです。それでいて、金沢城や兼六園に決して劣らない価値があり、「混雑感を加味した満足度」は極めて高いです。
以上、福井の一乗谷のご紹介でした。金沢に押されがちな観光地だからか、県の力の入れようがうかがえ、福井県立恐竜博物館も期待できそうです。
一乗谷はブラタモリがさらに詳しく紹介しています。
【ブラタモリ福井 全ロケ地】タモリさんが消えた都市・一乗谷を訪ねる#120(とらべるじゃーな!)