検察官の定年延長をめぐる諸問題に思うこと
国会で検察官の定年を引き上げる法案が審議・可決されようとしている。しかし、政権の意向で幹部の定年を延長することも可能になることから、検察OBからも反対の声が上がっている状況だ。思うところを示したい。
結局は「えこひいき」の是非
この件については、拙稿「ねじれの発端は『えこひいき』 検察官の定年延長、いま急いで決める必要はある?」でも取り上げた。その経緯だが、去る3月28日、東京渋谷で開催された緊急シンポジウムにパネラーの一人として登壇したことがきっかけだ。主催はファクトチェック活動などを行っている団体「インファクト」であり、テーマは「高検検事長の定年延長は何が問題なのか」というものだった。
ここでは、検察側から見た黒川弘務氏の定年延長をめぐる動きなどを解説し、具体的にどのようなアピールをすべきかといった提言を行った。例えば、黒川氏に対する給与支払いの差し止めや既払い分の給与の返還を求めるという運動を立ち上げ、クラウドファウンディングで全国から支援者や裁判費用のカンパを募るといったものだ。
東京高検検事長の年収が約2600万円にも上るという事実を知れば、コロナショックで倒産や失業の危機に陥っている人たちの関心も高まり、ますます怒りの声が上がるだろう。
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