ノート(147) 判決に向けた準備と「ご機嫌伺い」にやってきた最高検の検事
~裁判編(21)
勾留177日目(続)
いよいよ結審
「被告人、証言台の前へ」
弁護側の弁論が終わると、裁判長がそう促したので、立ち上がり、被告人席から証言台の手前まで移動した。
「これで審理は終わりますが、最後に何か言っておきたいことはありますか」
証拠調べなどを終え、結審する前に必ず行われる手続だ。裁判官はそれまでの審理で心証を固めており、被告人の最終意見陳述によって判決が劇的に変わるわけではない。ただ、締めの一言としての意義はあるし、傍聴席のマスコミも注目しているから、言葉を選ぶ必要がある。
ポイントは、長々と話さず、感情的にならず、裁判官に要求めいたことを言わないことだ。
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