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OB訪問で猥褻行為…逮捕された社会人はOB訪問マッチングサイトを利用か

酒井一樹就活SWOT代表
社会人が利用していたとされるOB訪問サイト

大手ゼネコンの大林組に所属する社会人が「OB訪問」にかこつけて就活生に猥褻行為をしようとした…という残念なニュースが報じられている。

報道された内容は、「大林組の社員が、OB訪問に来た女子就活生を自宅に連れて行き、猥褻な行為をした」という事。

最初は喫茶店で話をしていたようだが、途中で「面接指導」を口実に自宅に誘ったという。

そしてこの社員が「OB訪問のマッチングサイト」を利用してOB訪問を受け付けていたという事が判明した。

近年OB訪問マッチングサイトは増加傾向にあり、OB訪問できる社会人を探すためのツールとして注目されつつあった。

今回の事件は、そんな流れに水を差すことになってしまいそうだ。

【当該マッチングサイトはすでにアカウント停止措置】

「VISIT OB」運営会社のリリース
「VISIT OB」運営会社のリリース
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プレスリリース

このOB訪問マッチングサイトには、『企業による法人アカウント利用(企業公認ユーザー)』と『ボランティア社会人による個人アカウント利用(ボランティアユーザー)』の2種類の社会人アカウントが存在し、今回報道された社会人はボランティアユーザーだったという。

これを受けて、同社サービスでは「ボランティアユーザーの新規登録停止」という措置を取られている。

善意でOB訪問を受け付けていたであろう多くの社会人まで利用できなくなるのは残念で仕方ない。

【学生にとって、企業を経由しないOB訪問機会は貴重】

不純な動機で個人登録するユーザーを避けるためには仕方ないかもしれないが、

一方で企業からの指名で登録した社員では「OB訪問での話などを報告されてしまうかも」と気になる学生もいる。

実際、OB訪問を行ったら人事部に報告するという制度になっている企業もある。

企業経由で社会人が登録・紹介されているなら尚の事だ。

「人事部とは関係ない立場の社会人から率直な意見を聞きたい」というニーズは少なからずあるため、OB訪問サイトでのマッチングができなくなったとしてもSNSなど他のサービスでOBを探す学生はいるだろう。

サイレントで選考するリクルーターではなく「利害関係のない社会人」からアドバイスをもらうこと自体は大変有用であり、だからこそOB訪問マッチングサイトも増えてきていた。

マッチングサイトがサービスを止めたからといってこの手のトラブルが無くなるわけではなく、トラブルの起きる場所が変わるだけだと言える。

今回はたまたまOB訪問マッチングサイトが事件に巻き込まれてしまったが、OB訪問マッチングサイトの存在自体に問題があるわけではない。

間違っても「OB訪問」という行為自体を色眼鏡で見るような事が合ってはいけない。

それは学生から貴重な「機会」を奪ってしまうことになってしまう。

【トラブルを避けるためには】

しかしOB訪問に限らず、就活に関わっているとこういった話は毎年のように出てきてしまう。

OBではなく、人事など選考に関わる立場の人間からセクハラをされたという事案もある。

こういった事を書くと穿った見方をしてしまう読者もいるかもしれないが、ごくごく一部の例で「宿泊」を伴う合宿型のインターンなどもあり、その中でのセクハラ事案もある。

社員としての立場を利用しての猥褻行為などは論外だが、出会う機会がある以上は多かれ少なかれトラブルもある。

もちろんこうやって一般に知られる例は氷山の一角であり、泣き寝入りしていたり、表沙汰にしていない女性の方が多い。就活中にそこまで余裕がないという事もあるだろう。

またOB訪問の性質上「1対1」で会う事も多い。

「1人で行くのが危ないなら、複数名で会うようにすれば良い」という意見が出ることもあるが、実際には複数名でのOB訪問より1対1のOB訪問の方が得られるものは多い。

複数名では自分の聞きたい話ばかり聞けるわけではなく、 1対1で話すという事自体が「社会人と会話する」訓練になり、それが面接でも活きてくる。

だから「安全のために複数人でOB訪問するべき」という意見には賛同できない。

もちろんトラブルを避けるためにも、会って話をする場所や時間については十分注意していただきたい。

今回の事件のように最初は喫茶店で会っていたとしても、その後に場所を変えて話そうと言われた時は要注意だ。

実際にはそんな誘いをしてくるような社会人の方が少数派なのは間違いないが、「OBの自宅」などは言語道断だ。

就活SWOT代表

慶應義塾大学在学中、世界初の就活SNSの代表に就任。国内最大の就活SNSへと成長させた後に大学を卒業し、エグゼクティブサーチを行う人材ベンチャーに入社。役員・事業責任者などの幹部人材の採用支援に携わる。2009年にエイリストを設立し「自分の頭で考え、行動する人材を増やす事」を命題として就職情報サイト「就活SWOT」を開設。

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