余市町長「利便性確保できなければバス転換合意を撤回」と町議会で発言 北海道新幹線並行在来線問題
2024年6月24日に開会した余市町の定例町議会の一般質問において、余市町の斉藤啓輔町長は並行在来線の余市―小樽間について「バス転換合意は迅速かつ大量輸送の確保が前提。それが崩れる場合は合意を撤回する」と発言したことが地元紙の報道により明らかとなった。
北海道新幹線の札幌延伸開業にともなってJR北海道から経営が分離される函館本線の長万部―小樽間については、北海道庁が主導する並行在来線対策協議会において廃止の方針が強引に決定された。このうち余市―小樽間については輸送密度が2000人を超える区間で通常では廃止とはなり得ない区間であることから、各所から疑問の声が噴出していた。
さらに、深刻化しているバスドライバー不足の問題から、沿線にバス路線網を展開する地元のバス会社は2023年10月に鉄道代替バスの引き受けが難しい見通しであることを道に伝えており、1年以上に渡って並行在来線対策協議会が開催されない異常事態が続いている。
しかし、それでも北海道庁は並行在来線のバス転換について「ほかのバス会社やタクシー会社にも協力を求める」といい、終始一貫「廃線は決まったこと」として、バス転換以外の選択肢を排除する姿勢を崩していない。
2024年5月5日にBSフジで放送されたサンデ―ドキュメンタリー「今こそ鉄路を活かせ!地方創生への再出発」で行われた北海道交通政策局並行在来線担当課長の小林達也氏へのインタビューでは、「我々がバス転換に向けてまさに中央バスさんとか含めてバス会社と相談を始めようかっていうのは、(2023年)5月なんです」と答えており、道の政策姿勢を浮き彫りにした。
(了)