青いミニトマトは食べられる!秋の珍味レシピと注意点【大人の食育コラム】
秋は家庭菜園の夏野菜を片付ける時期です。まだ実がついているのに泣く泣く片付けなくてはいけないミニトマトはありませんか?
そのミニトマトの青い実、捨てないでください!無駄にせずに美味しく食べる方法をご紹介します。
青いトマトは生産者さんの直売所に並ぶこともあります。一度試してみませんか?なかなかの珍味ですよ。
※青い実を食べるときには注意点があります。どうぞ記事の最後までご覧くださいね。
食べられる青いトマトの実を見分けよう
まずは、家庭菜園で採った場合には食用に適している青いトマトを選ぶ必要があります。記事の最後で解説していますが、未成熟な実には毒性があるからです。
食用にできるのは、しっかり膨らんだもの。あと少しおいておけば赤くなるのに、という段階の実です。房でなるミニトマトの場合、房の先端に近づくほど未熟ですのでわかりやすいでしょう。小さく固くしまっている未成熟の実は除外します。試しにかじってみると未成熟の実には強い渋み、苦味があります。
さあ、食べられる青トマトを選んだら、料理してみましょう。ここからは青いトマトの美味しい食べ方をご紹介します。
青いミニトマトのフライがつまみに最高
青いトマトをフライにする「グリーンフライドトマト」はアメリカ南部では比較的ポピュラーな食べ方のようです。古い映画のタイトルにもなっています。
これをミニトマトで作ると、ワインやビールのつまみにぴったりの料理になるんです。本場の作り方では砂糖をまぶすなどのコツがあるようですが、今回は普段のフライの作り方と同じにしています。
<材料>
青いミニトマト
塩コショウ
小麦粉
卵
パン粉
粉チーズ
ハーブソルト
<作り方>
1.ミニトマトは3つ程度にスライスし、軽く塩コショウして下味をつけます。
2.小麦粉、卵液、パン粉の順で衣をつけて油で揚げます。コクと風味付けのためにパン粉に粉チーズを混ぜるのがおすすめ。
油ハネが気になる場合には、ミニトマトのタネの部分を取り除き、くぼみ部分にも小麦粉をしっかりまぶしてください。
3.パン粉がカリッといい色になったらできあがりです。
4.お皿にとり、ハーブソルトを振りかけます。
外がカリカリ、中はほんのりした酸味があり、一口サイズなのが楽しくて後をひきます。お好みでケチャップをつけて食べても。
大きいトマトにチーズやベーコンを挟んで揚げるとおかずの1品になります。コチラの記事もどうぞ▼▼
「青いトマトの食べ方はフライがおすすめ!調理師が教えるサクサクジューシーなチーズはさみフライの作り方」
青いミニトマトはジャムにしても美味しい
青いトマトをジャムにするのは、爽やかな酸味を活かすことができる食べ方です。生産者さんが商品化して道の駅などで販売しているのを見かけたことがあるかもしれません。
青トマトのジャムはさっぱりしていて、アンズジャムにも似ているなあ、というのが初めて食べたときの私の感想です。家庭菜園のミニトマトも同じようにジャムにしてみましょう。
コツとしては、冒頭のとおり未成熟の実は取り除くことと、赤くなりかけた実は入れないことです。赤い部分が入ってしまうと青トマトの爽やかさが少し濁るからです。
<材料>
青いミニトマト 300g
砂糖 120g(トマトの重さの4割・お好みで5割から6割まで増やしてください)
水 100cc
<作り方>
1.青いミニトマトは半分にカットし、水と一緒に火にかける。
2.トマトに火が通ると皮がむけてくるので皮をとりのぞく。
3.砂糖を加えて煮詰める。
青いミニトマトの量が少ないときは、他のフルーツと一緒に煮てミックスジャムにする方法もありますよ。りんごや洋梨、キウイなどと相性がいいです。
青いミニトマトの簡単ピクルス
青いミニトマトを酢に漬けるピクルスは、サンドイッチやサラダに活用でき便利です。青いものも赤くなりかけたものも一緒に漬けられます。
<材料>
青いミニトマト
塩コショウ
合わせ酢
鷹の爪
ローリエ
清潔な保存瓶
<作り方>
1.青いミニトマトは半分または3つ程度にスライスし、塩コショウをまぶして15分から30分程度おいておきます。このとき、タネの部分をできるだけ取り除くと仕上がりがきれいです。気にならない場合はそのままでも。
2.かなり水分が出るので捨て、キッチンペーパーで軽く拭き取ります。
3.清潔な瓶にミニトマトを入れ、上から合わせ酢を注ぎ入れます。鷹の爪とローリエも入れておきます。
4.全体が酢に浸るようにして一晩置くとできあがり。3日程度置くとより味が馴染んで美味しいです。酢に浸かった状態で1ヶ月程度の保存が可能です。
市販の合わせ酢を使うと気軽にできます(「寿司酢」や「ピクルス酢」など)。
合わせ酢を手作りする場合は、米酢大さじ3、砂糖大さじ3、塩小さじ1の割合をベースに、お好みの味に調整してください。青トマトの酸味を考えて、この配合は少し甘めになっています。
その他の青トマトレシピもいろいろ
その他、青いトマトにはこんな食べ方もあります。
・薄くスライスして玉ねぎスライスと一緒にマリネに(緑色がきれい、酸味がアクセントになります)
・ぬか漬け、味噌漬けにする
・天ぷらにする(小麦粉をまぶしてから天ぷらのタネにくぐらせると衣がつきやすいです。フライよりもあっさり食べられます)
・チャツネにする(チャツネはジャムとも似ていますが、スパイスが入ります。カレーの隠し味によく使われます。)
未成熟な青トマトにはご注意!毒性について
青いトマトには毒があるから食べてはいけない、と言われることがあります。これは、自然毒食中毒の原因となる「トマチン」が青いトマトには多いからです。トマチンは微弱な毒ですが大量に摂取すると、吐き気やめまいを引き起こし、時には血圧の低下や呼吸不全といった重篤な症状につながることがあります。ここが注意が必要とされる点です。
しかし、トマトの実が成熟するのと比例してこのトマチンの量は少なくなります。赤くなる直前の青い実であれば微量のトマチンしか含まれていません。また最近はトマチンの毒性よりも、悪玉コレステロールを抑える働きなどのメリットに注目されることもあります。
食べてはいけない青トマトは、未熟で固く小さいものです。未熟なトマトにはトマチンのほかに「ピペリジン酸」や「アルカロイド」などの苦味成分があり、ちょっとかじってみるとすぐわかります。ですから、収穫してきた家庭菜園の青いトマトをよく選別し、小さすぎる実は除外しましょう。「あとは赤くなるだけ」という状態まで成長している実を食べるようにしてください。
※体質や状況により、体調に影響が出る摂取量には個人差があります。不安がある人は青いトマトそのものを食べないようにしてください。
青いトマトを追熟させて赤くする方法は、別記事でまとめています。こちらの記事もどうぞ。
「トマトの追熟方法はビニール袋が最適でした」
青いミニトマトを食べる方法まとめ
今回は家庭菜園で収穫したまだ青い実のトマトを食べるレシピを紹介しました。記事内ではミニトマトを想定して書いていますが、もちろん大玉トマトでも同じように活用することができますよ。直売所で青トマトを見つけたらぜひチャレンジしてみてください。
ただし家庭で採る未成熟な青トマトの毒性には気をつけて、少量ずつ味わいましょう。このシーズンならではの珍味として青トマトのレシピを楽しみたいですね。
***【大人の食育】***
「青トマトを食べてみる」この記事、いかがだったでしょうか。食材の流通について知ったり、食材を育ててみる、食材を無駄なく使い切る工夫、栄養や美味しい組み合わせを知るといった取り組みは全て「食育」に含まれます。
調理師・食育インストラクターであるracssのコラムでは、健康的な食生活につながる「大人の食育」を意識したテーマで書いています。「へぇ~なるほど、やってみようかな」「子どもたちにも伝えてみようかな」と思っていただけたら幸いです。よかったらracssをフォローして他の記事もお読みくださいね!