ノート(185) 「記憶の植え付け」に終始した総連事件の証人テスト
~工場編(13)
受刑98/384日目
南海トラフ地震の恐怖
未明にギシギシという音を立て、舎房が縦横に大きく揺れるほどの地震があった。落ち着いてきたところで職員が廊下を駆け回り、各居室に異常がないかチェックしていたが、しばらくすると「問題なし」という放送があった。
想定される最大クラスの南海トラフ地震が発生した場合、静岡は震度7になる可能性がある上、太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定される。
刑務所は相当頑丈にできているが、南海トラフ地震クラスの巨大地震があれば終わりだ。受刑者は、夜間に地震で舎房が大きく揺れると、そのまま潰れて死んでしまうのではないかとゾッとしている。
受刑100/384日目
検察が行ってきた証人テストの一端
その後の水曜、木曜と、この2日間は、午前10時ころから夕方までの間、東京高検の和田澄男検事による取調べを受けた。
翌週の火曜に東京高裁で予定されていた総連事件の証人尋問に先立ち、「証人テスト」と呼ばれる打ち合わせを行うためだった。
関係者の供述が立証の柱となっているような事件では、検察も特に証人テストに気を使う。
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