ノート(184) 受刑者から相談された様々な悩みの内容とは
~工場編(12)
受刑94/384日目
元上司の公判に向けて
この日は、昼食を挟んで午前10時ころから午後4時ころまでの間、最高検の中村孝検事による取調べがあった。7月6日以来、約3週間ぶりだ。
目的は元上司である大坪さんや佐賀さんの裁判に関する打合せであり、中村検事からは裁判所が作成した争点整理案を見せられた。検察・弁護双方の主張が記されていたが、特に目新しいものはなかった。
中村検事によると、裁判所が公判前整理手続でかなり強権的な訴訟指揮を発動しており、弁護側から提示された事件と無関係の主張もバッサリと切り捨てられているという。
弁護側が裁判で取調べを請求しているという証拠もいくつか見せられ、それらの証拠をどう使うつもりなのか、彼らの真意を推察して中村検事に説明した。
大阪地裁で行われる証人尋問に向け、静岡から大阪に移送されるおおまかな日取りを詰め、約1ヶ月後である8月下旬にまた静岡で打合せを行うということが決まった。ちょうど大坪さんらの初公判直前にあたるからだ。
中村検事には、読売新聞の記者から取材の申込みがきており、静岡にいることがマスコミに漏れていると伝え、改めて検察における保秘の徹底を要請した。無駄であることは承知のうえだった。
受刑97/384日目
法律相談も
週明けのこの日から8月に入ったが、取調べや入浴などはなく、1日中、差し入れ本の整理などの作業を行った。そうした中、休憩時間に受刑者の一人から保護司について相談された。
保護観察の際、担当が予定されている保護司だが、身元引受人の父親にすら秘密にしていたプライバシーに関わる事柄を勝手に父親に話してしまったという。強い憤りを感じており、この保護司のことを全く信頼できないので、別の人物に変えてもらうなど、何らかの法的な措置がとれないかとのことだった。
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