カフェ巡り客の「デザートとフードだけ興味」に飲食店が「ドリンクも愛せ!」と反論 飲み物オーダーの是非
ドリンクの注文
飲食店へ訪れた際にドリンクを注文しますか。
スレッズ(Threads)に投稿された、香川県高松市にあるスペイン料理店の主張が話題となっています。
この投稿の引用元になったのは以下の投稿です。
飲食店の“ドリンク事案”については、お酒のオーダーがよく俎上に載せられます。カフェにおけるドリンクのオーダーが、話題に上ることも少なくありません。カフェでは、ケーキやパフェ、パンケーキやフレンチトーストなど、店の名物のスイーツ=甘味だけオーダーして、あとは水だけでいいという方がいるからです。
ドリンクオーダーについて
カフェや喫茶店、バーなど、ドリンクが主体の飲食店であれば、基本的にドリンクの注文が必須となります。
フードは注文しなくてもよいですが、ドリンクは注文しなくてはならないケースがほとんどです。そのため、待ち合わせなどで、後から遅れて到着すると、サービススタッフにメニューを渡されて、ドリンクの注文を訊かれます。
売上に占めるドリンクの割合はだいたい、レストランが20%、居酒屋が40%、カフェが80%、バーが85%。カフェや喫茶店、バーといった業態では、ドリンクが売上の多くを占める設計であるだけに、ドリンクを注文してもらわなければ経営できません。
食べられるボリュームには限界があり、注文できるフードは数品に限られます。しかし、ノンアルコールを含めたドリンクであれば、数杯は飲めるものです。
ものによって幅はあるものの、ドリンクは平均的にフードよりも利益率が高い上にすぐ提供できるという、秀逸な商品。したがって、ドリンクは飲食店にとってかなり貴重な商品=収益源であるといえます。
スイーツとお酒のマリアージュ
スイーツとお酒のマリアージュはかなり一般的になってきました。カフェでもデザートに相性のよいドリンクがペアリングされています。
ガトー・ショコラや抹茶ケーキには赤ワインという図式は定番であり、フルーツタルトやチーズケーキには白ワインもぴったり。高級ショコラやパンケーキにはシャンパーニュがマッチし、スポンジケーキにはビールも合います。さらには、大福やおはぎといった和菓子は、日本酒との相性が抜群です。
スイーツとノンアルコールのマリアージュ
コロナ禍を経て、ノンアルコールドリンクのペアリングもかなり発展してきました。
お酒ではなくても、何かしらのドリンクを組み合わせれば、スイーツはよりおいしく感じられます。モンブランやフルーツタルトやパウンドケーキにはダージリンティーがベスト。スコーン、ダークチョコレート、ベイクドチーズケーキにはキーマンティー、フィナンシェにはアッサムティー、ショートケーキにはニルギリのストレートティーが合います。
水は口中をクリアにしてくれるので、料理や菓子のコンクールで審査する際には必須です。私は食のコンクールをいくつも審査してきましたが、飲み物は水だけしかないことがほとんど。コーヒーや紅茶があったとしても、水が提供されないことはありません。
しかし、食べ物を審査するのではなく、食事を楽しむのであれば、事情を異にします。食べ物のポテンシャルをより一層引き出したり、食べ物に寄り添ったりするのであれば、水以外のドリンクを合わせた方がよいです。
テーブルウェアやコミュニケーション
ドリンクを飲む際に、自宅で取り揃えられないカップやソーサーが使えるのも、貴重な体験となります。
フランスのベルナルドやレイノー、ドイツのビレロイ&ボッホやマイセン、イタリアのリチャード・ジノリ、日本の大倉陶園など、貴重なテーブルウェアでドリンクをいただけるのは優雅なひと時です。口あたりや手触りからデザイン性や色合いによって、味わいや香りの印象が全く異なるだけに、テーブルウェアは非常に重要となります。
同席者と、フードに加えてドリンクで感想を共有できるのも、また一興です。コミュニケーションの幅が広がり、同席者の絆もより深まります。
デザートもドリンクも楽しめるように
こだわりがあるカフェであればあるほど、デザートだけではなく、ドリンクにも力が入れられているものです。むしろ、カフェでは、フードよりもドリンクの方に、力が入れられていることも少なくありません。
ドリンクを注文することによって、よりよい食体験を紡ぐことができます。ポジティブに捉えてみて、飲食店のこだわりのドリンクを色々と試してみていただきたいです。