【Yahoo!ニュース 個人】9月の月間MVA受賞記事が決定
■Yahoo!ニュース 個人、9月の「月間MVA(Most Valuable Article)」が決定しました
社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。厳選5本の記事を、筆者の受賞コメントとあわせて紹介します。
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■東日本豪雨で格差浮彫り!災害時の自治体広報の課題(鶴野充茂)
筆者による受賞コメント:特別警報の開始のもとで、各自治体がどのように対応しているかを追っていたところ見過ごせない課題があったことから指摘をまとめました。私自身が情報発信に携わる実務家なので、問題点だけでなく、解決策につながりそうなアイデアや提案も加えることを意識しました。自治体職員からも多数反響を頂き現場でも問題提起になったようで良かったです。ありがとうございました。
(鶴野充茂)
選出理由:災害時の情報発信について、コミュニケーションの専門家として独自の切り口で検証しています。「どのような伝え方が効果的か」という視点で自治体HPの細かい中身やゆるキャラ・地元議員のツイッターアカウントなど幅広く調べ、改善につながるアイディアも提案いただきました。
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■川島なお美さんの死から考える~がんで死にゆく体に何が起こっているのか(榎木英介)
筆者による受賞コメント:このたびはMVAに選んでいただきありがとうございます。川島なお美さんをはじめ、著名人の死が大きな話題になっている様子をみて、普通の人々にとって死がブラックボックス化しているということを痛感し、書かせていただきました。死というセンシティブな話題なので、注意は払いつつも、これからも死に関して記事を書くことができればと思っています。
(榎木英介)
選出理由:身近ながら知られていない病気の仕組みについてタイムリーに読者の関心に応えつつ、「死に方の科学が求められている」という主張に落とし込んでいます。わかりやすい文章・読みやすさも特筆すべきものがありました。
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■「良い日本人」に「悪い非日本人」という常識について考える。(にしゃんた)
筆者による受賞コメント:こちらの記事は、私の30年近くの日本での人生の小さな見聞の蓄積と、今後とも日本人としてこの国に生きていく身としての心の底からの願いが込められています。今後とも日本の国際化は益々進み、共生き(ともいき)は求められます。弱者を作るような、力をもたぬ少数者を軽視するような多数派本位な社会は幸せにはなりません。早かれ遅かれそのような社会が必ずしっぺ返しに苦しむようになります。これは歴史からの大きな教訓でもあります。私は少数者を軽視したため25年間の長きに渡って続いた内乱が嫌でスリランカを逃げ出して日本に来た情け無い者の1人です。母国のようなことは日本で起こしてはならない、これは多くの学友含む母国の紛争で亡くなった大勢の若者へのせめてもの報いでもあると考えております。少数者の意見、小さな違いを受け入れて、力に変えていくのはむしろ日本らしさであります。何人も共に笑い生きていける、平和な、持続可能な、発展可能な、日本創りに今後もお互いに貢献してまいりましょう。この度の思いもよらない名誉ある賞を頂き、大変光栄に思います。今後背伸びしながらも、でも真摯に文章を書かせて頂きます。ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。(にしゃんた)
選出理由:メディアの報道に対して疑問を投げかけ、その背景に「多数派視点」があるのではと指摘しています。「海外出身者による犯罪も起きている。必ずや食い止める必要がある。しかし、メディアにおいて展開されている「良い日本人」に「悪い非日本人」という演出は社会を騙しているに過ぎず、社会に幸せをもたらすとも思わない。」と、報道のあり方に一石を投じました。
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■欧州震撼「溺死したシリア難民の子ども」の写真から考える日本のメディアの限界、それでも伝えるべきこと(志葉玲)
筆者による受賞コメント:この10年あまり紛争地を取材し続けて痛感するのは、現地で起きている悲劇の中で報じられるものは、ほんの一握りだということです。確かに、戦争とは恐ろしく残酷で目をそむけたくなるものかもしれませんが、知ることにより、私達ができることもわかってくるのかもしれません。これからも現場の視点を大事にして、記事を書きていきたいと思います。MVA選出、有難うございました。
(志葉玲)
選出理由:ジャーナリストとして戦場に赴き、戦争の悲惨さ・理不尽さを伝えている筆者の発信。「どうしたら、もっと人々に訴えることができるのか、どうしたら戦争をなくすことができるのか」という苦悩が、感情のこもった文章から伝わる記事です。
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■よくわかる、なぜ「五輪とリエージュのロゴは似てない」と考えるデザイナーが多いのか?(深津貴之)
筆者による受賞コメント: オリンピックのロゴ騒動は、いろいろな情報が不透明なまま、議論がドンドンと変な方向に転がっていってしまいました。いったん状況を整理するために、いろいろな前提知識をまとめてみたのですが、みなさんの参考になりましたのならば幸いです。
(深津貴之)
選出理由:五輪エンブレム問題でのデザイナーと世間とのギャップについて、一般にはあまり知られていない専門的知見もまじえてわかりやすく丁寧に解説していただきました。画像やポイントの箇条書きなどを効果的に使い、長文を最後まで飽きさせずに読ませてくれます。