元ヤクルト・ロマン、母国のウィンターリーグに参戦! 来春のWBC出場にも意欲
「もう決して若くはないが、まだ若いヤツらよりもいい仕事ができるよ」
昨年まで東京ヤクルトスワローズに在籍していたオーランド・ロマンから届いたメールには、そんな力強い言葉が綴られていた。
2012年から4年間ヤクルトでプレーしたロマンは、昨年はおもにセットアッパー、時には先発として計61試合に登板し、5勝5敗、23ホールド、防御率2.40の好成績をマーク。同じく中継ぎのローガン・オンドルセク(今季途中で退団)、抑えのトニー・バーネット(現MLBレンジャーズ)と共に勝利の方程式を構築し、チームにとって14年ぶりとなるセ・リーグ優勝に大きく貢献した。
ところが年齢がネックとなってオフに自由契約となり、今シーズンは5年ぶりに台湾プロ野球(CPBL)に復帰(登録名は羅曼)。Lamigoモンキーズで34試合(うち先発25試合)に投げ、リーグ2位の12勝(7敗)を挙げた。防御率は4.64とパッと見は良くないものの、超が付く打高投低のCPBLにあって、これはリーグ3位の数字である。
シーズンが終わり、先月28日には38歳の誕生日を迎えたロマンだが、古巣のヤクルトから国際スカウトの職をオファーされながらも、現役続行をあきらめられずにいる。ヤクルトからのオファーに即答はせず、オフの間もプレーを続けることを選択。福岡ソフトバンクホークスの松坂大輔や、読売ジャイアンツの高木勇人らも派遣されている自身の母国、プエルトリコのウィンターリーグへの参戦を決めた。
「まだまだ投げられることを証明し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のプエルトリコ代表入りを目指すためにも、(ウィンターリーグで)プレーする必要があった」
ロマンはウィンターリーグ参戦の理由をメールの中でそう明かし、来春に開催される第4回WBC出場への意欲も示している。冒頭の言葉は、それに続いたものだ。
以前「引退後はヤクルトの外国人スカウトになりたい」と将来像を語っていたこともあるロマンだが、小川淳司シニアディレクターも「本人が『まだ現役で』って言っている以上、その話は保留。どうなるか分からないけど、いずれにしてもウィンターリーグとWBCが終わってから」と言うように、ヤクルトの国際スカウト就任は今のところ棚上げの状態。“夢”の実現はもう少し先送りになりそうな気配だ。
なお、ロマンは現地時間12月2日(日本時間3日)からプエルトリコのウィンターリーグ「リーガ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル・ロベルト・クレメンテ」所属のクリオーヨス・デ・カグアスの一員としてベンチ入りする予定。当面は救援で投げ、ゆくゆくは先発に回る見込みだという。