ヤクルト・ミレッジ“電撃”退団、ロマンは「将来チームのスカウトに」と夢語るも……
東京ヤクルトスワローズは12月24日、新外国人選手3人との契約を発表。併せて今シーズンまで同球団でプレーしていたオーランド・ロマン投手、ラスティングス・ミレッジ外野手、ミッチ・デニング外野手の3選手とは、来季の契約を結ばないと発表した。ウラディミール・バレンティン外野手とローガン・オンドルセク投手は残留するものの、既に抑えのトニー・バーネット投手もメジャー移籍を決めており、ヤクルトの外国人は今季の6人から来季は5人体制となる。
ヤクルトが新たに契約したのはカイル・デイビーズ(32歳、今季ヤンキース)、ルイス・ペレス(30歳、今季ブルージェイズ傘下)、ジョシュ・ルーキ(31歳、今季メキシカン・リーグ)、の3投手。いずれも1年契約で、来季の年俸は推定でデイビーズが60万ドル(約7200万円)、ペレスが45万ドル(約5400万円)、ルーキは30万ドル(約3600万円)。背番号はデイビーズ34番、ペレス13番、ルーキ53番と決まった。
一方、退団する3選手のうち、今季で2年契約が満了したミレッジとは、来季のオプション契約の行使が決まっていたが、「外国人はピッチャー3人を常時使いたい」という方針でフロント、現場とも一致。今季はケガに泣いたバレンティンが、来季は万全な状態でシーズンに臨めるとの見通しもあって、一軍の外国人登録枠(4人)からはみ出すことがほぼ確実なミレッジを24日付で契約保留者名簿から外し、自由契約とした。
また、ロマンに関しては球団側は来季の残留を何度も検討し「最後の最後まで悩んだ」というが、結局は来季のオファーはなし。来日4年目の今季は主に中継ぎを務め、時には先発もこなすなどヤクルトの14年ぶりリーグ優勝に大きく貢献したものの、最終的には37歳という年齢がネックとなった。ロマン自身はシーズン中から「あと2年はスワローズでプレーして、引退後は球団の外国人スカウトになりたい」と語っていたが、ひとまずは袂を分かつ形になった。
今季の途中でBCリーグ・新潟から入団し、年俸わずか360万円の「格安助っ人」として話題になったデニングは、前述のとおり「外国人投手3人を常時使いたい」という球団の方針に加え、オフに坂口智隆(前オリックス)や鵜久森淳志(前北海道日本ハム)を獲得したことで外野手が多くなったというチーム事情もあり、来季の契約はオファーしなかったという。
なお、今季は守護神としてリーグ最多タイの41セーブを挙げたバーネットは、当初はポスティングでのメジャー移籍を目指していたものの期間内の契約には至らず、12月8日付けで自由契約となったのちにテキサス・レンジャーズと契約。個々の選手の契約の詳細などをまとめたウエブサイト『Cot’s Baseball Contract』によると、契約は2年(2016~17年)プラス1年のオプション(2018年)で、年俸は総額350万ドル(約4億2000万円)。来季は150万ドルだが、交代完了が10試合に達すると出来高が加算される(10~20試合まで各5万ドル、25~40試合まで各10万ドル)ため、すべてクリアすれば来季だけで205万ドル(約2億4600万円)を手にすることになる。
ただし、交代完了は試合の最後に投げた救援投手に記録されるため、これが多くなるのは基本的にはクローザー。バーネットは今シーズン50完了を記録しているが、これは抑えだったからであり、今季のレンジャーズを例に取ると、抑えのピッチャーを除くと最も完了が多かった投手でも11。出来高満額を手にするには、クローザーの座を勝ち取る必要がある。
(※本稿より、従来と文体を変えています。これまでは「ですます調」でしたが、今後は基本的に他の媒体に寄稿している形に統一しますので、ご了承ください)