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81歳の誕生日を迎えたバイデン氏がヤバ過ぎる失言 テイラー・スウィフトをブリトニー・スピアーズと混同

飯塚真紀子在米ジャーナリスト
81歳を迎えたバイデン大統領が「七面鳥恩赦式」で放った失言も注目された。(写真:ロイター/アフロ)

 11月20日、81歳の誕生日を迎え、史上最高齢の大統領となったバイデン大統領が、米感謝祭の日を前に毎年ホワイトハウスで執り行われる「七面鳥恩赦式」でお得意の失言を放った。

 感謝祭の日、アメリカでは家族が集い、七面鳥の丸焼きを食べることが習慣となっているが、この儀式では、大統領に恩赦を与えられた2羽の七面鳥が調理されて食卓に並ぶのを免れて余生を過ごすことができる。

 今年は、ミネソタ州で育てられた「リバティー」と「ベル」という七面鳥に恩赦が与えられた。バイデン大統領は、記者イベントの場で、この2羽が多数の七面鳥の中から恩赦を勝ち取れたことは、人気アーティストのツアーチケットを入手するくらい難しいことだったとする以下の発言をしたのだが、人々はすぐにそのヤバさに気づいてしまった。以下の発言、ファンなら、あれっ???と思ってしまうことだろう。

「ここ(恩赦の場)に至るまで、リバティーとベルは激しい競争を勝ち抜かねばならなかった。彼らは懸命に働き、忍耐強さを示し、進んで1,000マイル以上も旅せねばならなかった。これは、ルネッサンスツアーorブリトニーのツアーのチケットを得るよりも難しいとさえ言える。彼女は今、ちょっと暖かいブラジルにいる」

 えっ、ブリトニーがブラジルでツアー? ブリトニーは2018年以降ツアーを行っていないのではないか? 

 では、今、ブラジルにいるのは誰かというとテイラー・スウィフトである。リオデジャネイロで行われた彼女のコンサートに来た23歳の女性ファンが熱中症と見られる原因で亡くなる事件がニュースになったばかりだ。バイデン大統領は、テイラー・スウィフトをブリトニー・スピアーズと混同してしまったようである。また、発言の解釈の仕方によっては、ルネッサンスワールドツアーをブリトニーの行ったツアーだと考えているようにも取れるが、ルネッサンスワールドツアーはビヨンセが行ったツアーで、10月1日に終了している。

 バイデン大統領のこの失言はSNSで拡散され、 “X”(旧ツイッター)上でも様々な反応が起きている。

「バイデンはテイラー・スウィフトのツアーをブリトニーのツアーだと思っている。そのブリトニーのツアーを“ルネッサンスツアー”と呼んでいるが、それはビヨンセのツアー名だ。テイラー・スウィフトのコンサートでファンが亡くなったブラジルの暑さをジョークにしている」

「バイデンはテイラー・スウィフトのことをビヨンセだと勘違いしている。彼はZ世代の時世に疎い。恥ずかしいことだ」

「バイデンはテイラー・スウィフトのツアーについて言及しようとしたのだろうが、見事に失敗してしまった」

「彼のキャリアの中では、最大の失言だ」

と批判する声がある一方、

「この失言については、ジョーを責められない。私自身、ポップアーティストたちの区別ができない」

と混同したバイデン大統領に同情を示す声もある。

 高齢が大統領選では足枷になると言われているバイデン大統領である。ロイター/イプソスが9月半ばに行った世論調査では、回答者の77%がバイデン大統領は大統領としては高齢過ぎるとの見方を示したが、今回の失言も、懸念されているバイデン大統領の高齢問題を示すエピソードの1つになりそうだ。

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在米ジャーナリスト

大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。

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