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バイデン氏「女王陛下万歳」以外にも失言 「認知症がひどい」「全く無力化」「修正第25条発動?」の声も

飯塚真紀子在米ジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 “失言製造機”とも呼ばれるバイデン大統領が、6月16日、コネティカット州で開催された銃規制法案をめぐる会合を「女王陛下万歳!(God save the queen, man!)」と言う意味不明の発言で締めくくり、波紋を呼んでいる。

 女王とはエリザベス女王を指すと考えられるが、女王は昨年死去している。

 類似した発言は昨年9月にもされた。バイデン大統領は、飢餓の撲滅に向けた対策会議で演説した際、共和党下院議員のジャッキー・ワロースキ氏に「ジャッキーはどこにいるんだ? 来ているはずなのだが」と呼びかけたが、その議員は昨年8月に交通事故で死去しており、しかも、同議員の死去に際しバイデン大統領は「ショックを受け、悲しみに暮れている」との声明まで出していた。これは、バイデン大統領の認知能力が疑問視されるエピソードの一つとなった。

認知症がひどくなっている

 今回の発言でも、認知能力を疑うコメントや大統領としての職務遂行能力を疑問視する声があがっている。

 政治ストラテジストのエヴァン・ベリーヒル氏は「私は、数えきれないほどの酔っ払いたちが“女王陛下万歳”のような全く不可解なことを言った後、酔っていないかのように振る舞おうとするなかで、バイデンのようにまごまごした動きをするのを見てきた。彼は全く無力化している」と批判。確かに、動画を見ると、バイデン大統領は問題の発言をした後、ステージのどちら側から降りたらいいかわからなくなってしまったのか、まごついているように見えた。

 コラムニストのローマン・ジャンコウスキー氏は「誰か修正憲法第25条を発動する?」と言う皮肉なツイートを投稿。「修正憲法第25条」は大統領が職務遂行不能と判断された場合、副大統領が職務を代行することを定めている。

 また、米下院共和党議員の中でも極右の議員で構成されている団体「フリーダム・コーカス」のグレッグ・プライス氏は「認知症が非常にひどくなっており、彼は自分がイギリス人だと思っているのだ」とツイートした。

環境イベントでも失言

 ところで、先週、バイデン大統領がした失言はこれだけではなかった。根管治療から数日後の6月14日の夜、ワシントンDCで行われた環境に関するイベントでは、“ビルド・バック・ベター(より良き再建)”というバイデン氏の看板政策を“ビルド・バック・バイデン”と言い間違え、会場からは爆笑が起きていた。

 また、このイベントでは、「我々には太平洋からインド洋を横断する鉄道を建設する計画がある」と壮大な計画も豪語し、右系メディアや共和党側などからSNSで「8,000マイル(約1.3万キロメートル)の海の電車だ」「大統領、大胆なイニシアティブだ」「グランパをベッドに寝かせろ」「インド洋を横断する鉄道建設計画があるのを知ってた? これはニュースだわ、みなさん」などバイデン大統領の発言を嘲笑するコメントが飛び出していた。

ラグビーチーム名と治安部隊名が混乱

 4月には、滞在中のアイルランドでバイデン氏がした失言も問題視されていた。

 2016年にソルジャー・フィールドで行われた試合で、アイルランド代表のラグビーチームがニュージーランド・オールブラックスに勝利した際、アイルランド代表のラグビーチームのメンバーとしてプレイした、バイデン氏の遠い親戚にあたるロブ・カーニー氏はバイデン氏にネクタイをプレゼントしたのだが、そのカーニー氏について「彼はブラック&タンズを打ち負かした」と発言。ブラック&タンズとは100年以上前に起きたアイルランド独立戦争時の王立アイルランド警察隊の治安部隊の名前で、残虐な振る舞いを行ったことからアイルランドでは嫌悪されている。バイデン大統領はオールブラックスと言うべきところを、混乱したのか、ブラック&タンズと言ってしまったのである。

1400万件以上の検索結果数を懸念

 バイデン大統領の失言を槍玉にあげてきたのが米共和党である。バイデン氏の次期大統領選出馬表明後には、テキサス州のジャクソン議員率いる61人の共和党議員らが、バイデン氏あての書簡の中で、“バイデン 失言”でオンライン検索すると1400万件以上もの検索結果が出てくるのは非常に懸念すべきことであり、大統領に求められる職務遂行能力に疑いが投げかけられていると問題視、「ジェンダーや年齢、政党に関わらず、すべての大統領は、健全な精神能力を持っていることを文書化し、示すべきだと我々は考えている」と述べ、バイデン氏は認知機能テストを受けてその結果を国民に示すか、大統領選からドロップアウトすべきだと訴えている。

 来年の大統領選を前に、米共和党は、ますます、バイデン氏の認知能力の衰えに対する懸念に焦点を当てた批判を展開して行きそうだ。

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在米ジャーナリスト

大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。

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