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ワールドシリーズ第5戦に投げ合う2人はどちらも2年前に「トミー・ジョン手術」

宇根夏樹ベースボール・ライター
ノア・シンダーガード(フィラデルフィア・フィリーズ)Nov 1, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2勝2敗で迎えるワールドシリーズの第5戦は、ノア・シンダーガード(フィラデルフィア・フィリーズ)とジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)が投げ合う。

 シンダーガードは、第3戦の登板が予定されていた。だが、雨天順延となり、第3戦はレンジャー・スアレスが投げた。シンダーガードがスライドしなかった事情については、「7年ぶりのワールドシリーズ先発登板は、雨とともに流れたのか。順延の試合は別の投手がマウンドへ」で書いた。

 バーランダーは、第1戦に登板した。第3戦の順延に関係なく、第5戦の登板は予定どおりだ。

 彼らは、どちらも2年前にトミー・ジョン手術を受けた。シンダーガードは3月下旬、バーランダーは9月下旬だ。今シーズンが実質的な復帰1年目、という点も共通する。

 シンダーガードは、昨シーズンの終盤に2登板後、ニューヨーク・メッツからFAとなり、ロサンゼルス・エンジェルスに入団した。そして、夏のトレードで、エンジェルスからフィリーズへ移った。昨シーズンを全休したバーランダーは、オフにアストロズと再契約を交わした。今シーズン、シンダーガードは、2チームで計134.2イニングを投げ、防御率3.94を記録した。バーランダーは、175.0イニングで防御率1.75だ。3年ぶり3度目となるサイ・ヤング賞の可能性も高い。

 ただ、バーランダーは、第1戦の前に「この大投手は、ワールドシリーズが苦手!? 通算7登板で0勝6敗、防御率5.68。今年は第1戦に登板」で書いたとおり、ワールドシリーズでは、レギュラーシーズンのような投球ができていない。5イニングで5失点の第1戦を含め、通算8登板の43.0イニングで防御率6.07だ。

 ちなみに、シンダーガードがワールドシリーズで投げたのは、ルーキーだった2015年の第3戦だけ。この試合は、6イニングを投げて3失点で白星を挙げた。

 これまでに2度、2人は、レギュラーシーズンに投げ合っている。2016年8月5日と、今シーズンの4月9日だ。6年前は、6イニングずつを投げ、4失点のシンダーガードに黒星、2失点のバーランダーには白星がついた。7ヵ月前は、揃って好投し、5.1イニングで無失点のシンダーガードが勝利投手、5イニングで1失点のバーランダーは敗戦投手となった。

 4月9日の試合は、開幕カードの3試合目。両投手とも、シーズン初登板だった。ワールドシリーズの第5戦は、2人のどちらにとっても、今年最後の登板となりそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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