リーガで首位を独走。ガビとペドリの躍動と大型補強でバルセロナに生まれた推進力。
バルセロナが、ギアを上げてきている。
リーガエスパニョーラ第18節、バルセロナは本拠地カンプ・ノウでヘタフェに勝利した。この結果、シャビ・エルナンデス監督が率いるチームはリーガで首位をキープ。タイトル獲得に向け、前進している。
スペイン・スーパーカップでは、決勝でレアル・マドリーを下して優勝を飾った。シャビ監督就任後、初めてのタイトル奪取。そして、それはリオネル・メッシのパリ・サンジェルマン移籍以降、初のタイトルでもあった。
メッシは2021年夏にバルセロナを退団した。涙ながらの退団会見は、バルセロニスタの心を打つものだった。
バルセロナはそこから苦しい日々を過ごすことになった。2021−22シーズン途中にロナルド・クーマン前監督が解任され、シャビ監督が就任した。
■カンテラーノと若手選手の台頭
シャビ監督が就任して、チームには変化が訪れた。象徴的なのは、カンテラーノと若手選手の台頭だ。
ガビ、アレッハンドロ・バルデ、ペドリ・ゴンサレス、アンス・ファティ、ロナウド・アラウホといった選手が躍動している。また、先日のコパ・デル・レイのセウタ戦ではアンヘル・アラルコンがトップデビューを飾った。
「この前の試合で、スターティングメンバーを選んでいたら(総務の)カルレス・ナダルに『それだと一人退場したら失格になり敗戦扱いにされてしまう』と言われたんだ。ピッチ上にトップチームの選手が7名いる必要があるからだ。それは馬鹿げたルールだ。シーズン終盤の試合やコパの試合を考えてのものかもしれないが、育成を考えた時、選手の成長を妨げるだけだと思う」
昨季、リーガ第18節のエルチェ戦後、シャビ監督はそのように語っていた。指揮官はバルセロナのカンテラ(育成組織)を重視しており、それはいまも継続されている。
■大型補強の成果
また、バルセロナは、カンテラーノに賭けながら、積極的な補強を行ってきた。
昨冬の移籍市場で、フェラン・トーレス、ダニ・アウベス、アダマ・トラオレ、ピエール・エメリク・オーバメヤンが加わった。
そして今夏、ロベルト・レヴァンドフスキ、アンドレアス・クリステンセン、パブロ・トーレ、フランク・ケシエ、マルコス・アロンソ、エクトル・ベジェリン、ラフィーニャ、ジュール・クンデを獲得した。
昨冬の補強費は6950万ユーロ(約97億円)だった。この夏に関しては、それは1億5800万ユーロ(約221億円)に上った。
無論、大きかったのは、レヴァンドフスキの加入だ。ここまで、リーガ15試合で13得点4アシストを記録しており、ファーストシーズンですでにエースの風格を漂わせている。
「レヴァンドフスキは信じられないくらいにプロフェッショナルだ。先日のセウタ戦でそれを示していた。彼にとっては(リーガで出場停止処分があり)コパの試合がリズムを保つために大事だった」とレヴァンドフスキを称賛するのはシャビ監督である。
現在、バルセロナには、ガビ(18歳)、バルデ(19歳)、ペドリ(20歳)、ファティ(20歳)、アラウホ(23歳)と若くしてチームの中心になれる選手がいる。
セルヒオ・ブスケッツの去就が定かではないなど、問題がないわけではない。しかし、若い選手を大事にする哲学は維持されており、ベテランの若手の融合力がチームに勝利へと向かう追い風を吹かせている。