ブスケッツの代役を探すバルセロナ。カンテ、ネベス、スビメンディ...シャビを襲うジレンマ
代役を見つけるのは、簡単ではない。
バルセロナが、セルヒオ・ブスケッツの後釜を探している。バルセロナとブスケッツの契約は今季終了時に満了を迎える。契約延長で合意しなければ、ブスケッツはシーズン終了後にクラブを去る。
■代役を確保する必要性
ブスケッツはバルセロナのカンテラ出身選手だ。2008年9月にジョゼップ・グアルディオラ監督の下、トップデビュー。以降、バルセロナのアンカー、「5番」のポジションで地位を不動なものとした。
「技術面で(ヤヤ・)トゥーレや(セイドゥ・)ケイタを上回っている。ポジショニングの面では、まるでベテランの選手だ。ボールを持っている時、持っていない時、いずれも素晴らしい」とはヨハン・クライフのブスケッツ評だ。
「ボールを持てば、困難なプレーを簡単にやってのける。1タッチ、2タッチで、味方に出口を用意する。ボールを持っていない際には、正しい位置に立ち、必要な分だけ走って、インターセプトする。それは若くて経験が不足した選手には難しいんだ。グアルディオラも選手時代に似たような特徴を備えていた」
そのブスケッツの穴を埋められる選手を、バルセロナは見つけなければいけない。エンゴロ・カンテ(チェルシー)、ルベン・ネベス(ウルヴァーハンプトン)、マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)らが補強の候補に挙げられている。
カンテは今季終了時にチェルシーとの契約が満了する。チェルシーの契約延長オファーに対して、首を縦に振っていない。バルセロナとしては、移籍金ゼロで獲得する絶好の機会になる。
ネベスは、代理人のジョルジュ・メンデス氏がバルセロナのジョアン・ラポルタ会長と良好な関係にある。一方で、シャビ・エルナンデス監督がネベスの獲得に“ゴーサイン”を出せずにいる。シャビ監督としては、ネベスをインサイドハーフあるいはダブルボランチの一角を務める選手と見ており、【4−3−3】のアンカータイプを別に欲しているという。
他方、シャビ監督が高く評価しているのがスビメンディだ。ソシエダで【4−4−2】の中盤ダイヤモンド型で、アンカーを務めてきた。スペインの世代別代表でも、アンカーでプレーしてきている。今季、ソシエダと2027年夏まで契約延長を行ったスビメンディだが、契約解除金は6000万ユーロ(約84億円)に設定されている。
「我々はブスケッツを説得できるように努める。私にとって、彼は非常に重要な選手だ」
「ブスケッツのテーマは、最終的に彼の決断に委ねられるだろう。すべてが彼次第だ。しかし、まだ6ヶ月が残されている」
これはシャビ監督のコメントである。
指揮官が語るように、ブスケッツが残留するというオプションは残されている。アメリカ移籍に関心を抱いているブスケッツだが、シャビ監督から慰留を懇願されたら、心が動く可能性はある。
今季、バルセロナはジェラール・ピケが引退を表明した。ブスケッツまで抜けるとなれば、まさにサイクルの終焉を感じさせる出来事になる。ただ、ブスケッツの代わりを確保するのは容易ではない。決して平坦ではない道が、そこには続いている。