フリック・バルサを本当に信じていいのか?
やるせない気持ちは、宙を彷徨っていた。
近年のバルセロナを語る時、そんなイメージが浮かび上がる。エルネスト・バルベルデ、キケ・セティエン、ロナルド・クーマン、シャビ・エルナンデス…。相次ぐ監督の交代劇が、クレから期待や希望を奪い取っていった。
そんな中、2024−25シーズンに向けて、ジョアン・ラポルタ会長は、再び監督交代を決めた。呼ばれたのは、ハンジ・フリック監督。バイエルン・ミュンヘンで成功、ドイツ代表で失敗、栄光と挫折を知り尽くした指揮官だ。
結論から言えば、ここまでのところ、フリック・バルサは、ほぼ完璧だ。リーガエスパニョーラで、11勝1敗で首位をキープ。チャンピオンズリーグでは、3勝1敗でグループ突破に迫っている。
だが、ある疑問が頭を擡げる。「本当に彼らを信じていいのだろうか」という問いだ。
■ハンジ・フリックの戦術
解き明かす鍵は、無論、戦術にある。
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