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キーマンに聞く。若手育成「ジャパン・タレント・スコッド・プログラム」の裏側【ラグビーのサブスク】

向風見也ラグビーライター
昼食にもこだわり(筆者撮影)

 今年約9年ぶりに日本代表のヘッドコーチとなったエディー・ジョーンズが、4月、肝いりのプロジェクトを始動させた。

 ナショナルタレントスコッド。有望な大学生をピックアップし、代表入りに必要なトレーニングやマインドセットを付与する取り組みだ。メンバーに選ばれた14名は、これから代表スタッフの知見を共有しながら身体作り、技能向上に努める。

 25日には明大・八幡山グラウンドで第1回目の活動があった。全体練習後、ジョーンズは14名と個人面談を実施。6月の第2回目までの宿題を課した。

 このプロジェクトで肉体強化部門に携わるのは、太田千尋氏。2013年より日本代表のS&C部門の強化に携わり、19、23年のワールドカップに参加したジェイミー・ジョセフ前ヘッドコーチ体制下では活動期間中のレクリエーションも担当した。

太田氏(筆者撮影)
太田氏(筆者撮影)

 今回はジョーンズの意を汲み、ポテンシャルのある若手を啓蒙。活動時間後の昼食メニューも監修していた。

 同日、意図を明かした。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——キャンプで選手に配ったお弁当(リーグワン2部・浦安D-Rocksが利用するケータリング会社で調理)については。

「いま、特にこの世代(の選手)は、身体こそ大きいんですけど、結構、体脂肪が多いので、筋肉で体を作るメッセージを送っています。今日のセッションも含めて 3回、プロテインを摂って、プラスお弁当。短時間で4回、たんぱく質を。それを当たり前にする意味を込めています。

(弁当では)エネルギーをたんぱく質で摂るところですね。どうしても炭水化物で摂りがちなんですけど、やっぱり、筋肉を作るのはたんぱく質なので。また、脂質をできるだけ排除しています。鶏肉は皮をはいでいる。ただ、青魚の油は血液の成分をよくするなど、身体にいい油もある。それらのバランスを整えています。

 ご飯は最低限の 200グラム ぐらいにしてもらって、選手に応じてプラスアルファのおにぎりを渡す。1個100グラムずつ。選手によって体脂肪が高い場合、逆に(体重を)増やさなきゃいけない場合がある。それに応じて(米の量を微調整する)。カロリーは基本、一食1500キロカロリーくらいで、おにぎりでプラスを」

——若年層に食生活に関するマインドセットを施す意義は。

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ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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