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プラチナバンド再割り当て「ないから欲しい」は通用しない 石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.430

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト

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石川 温の「スマホ業界新聞」

2021/08/07(vol.430)

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《目次》

1.ソフトバンク宮川社長がプラチナバンド再割り当てにコメント

-----「『ないから欲しい』では議論にならない」

2.グーグルが自社開発プロセッサをPixel 6に搭載

------ハイエンドモデルからエントリーモデルへの展開はあるのか

3.NTTが決算会見を開催するもNTTドコモに出番なし

-----ユーザーに対するLINEMO対抗策のメッセージも聞けず

4.今週のリリース&ニュース

5.編集後記

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1.ソフトバンク宮川社長がプラチナバンド再割り当てにコメント

-----「『ないから欲しい』では議論にならない」

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8月4日、ソフトバンクの決算説明会が開催された。LINEMOの動向については他のメディアが聞くだろうということで、個人的に宮川潤一社長に聞きたかったのが、プラチナバンドの再割り当てについてだ。

総務省で、3キャリアに割り当てられているプラチナバンドに対して、3Gサービスが停波するタイミングで巻き取り、新たに希望する事業者に割り当てる方向で議論が進んでいる。もちろん、このタイミングで割り当てられるとするならば楽天モバイルだろう。

総務省の有識者会議でもキャリアからの意見は出ているが、実際にキャリア関係者は、この議論をどう思っているのか。業界内で最もプラチナバンドに思い入れがあるであろう宮川潤一社長に本音を聞きたかったのだ。

質疑応答で質問したところ、開口一番「総務省とはあまりケンカはしたくないのですが」と困惑されてしまったがソフトバンクにおけるプラチナバンド獲得までの経緯を語ってくれた。

「900MHz帯は6年をかけて頂いた。その間、ありとあらゆる勉強をしてきたつもりです。私たちが持っていたのは2.1GHz帯だけでした。(総務省からは)『まずは言い訳なしで(いま持っている周波数帯を)使うだけ使ったらおかわりしに来いということだったので、根性論で15万局まで増やしました。最終的に18万局まで増やした上で(新たに)割り当てていただきました」(宮川潤一社長)。

つまり、当時の総務省は「足りないから欲しい」という状態でなければ、耳を貸さなかったというわけだ。

宮川社長は「5Gの大量トラフィックの時代になると、当時苦労して立ち上げた基地局が、結果的に私たちのトラフィックをオフロードするための局となっています。キャパシティのあるソフトバンクでいられるようになったので、結果的には感謝している」と語る。

当時のソフトバンクはプラチナバンドがないなか、手当たり次第に基地局を確保しまくっていたという印象だ。公衆Wi-Fiスポットをばらまいたり、イー・モバイルを買収したり、さらにはウィルコムを救済したことで、キャパシティのソフトバンクが確立できたように思う。

プラチナバンドの再割り当てについて宮川社長は「我々を含む3キャリアには既にお客さまがいる。巻き取りにはお客さまとの会話が必要となる。ぜひ丁寧に話を進めていただきたいと(総務省には)申し上げているところです。

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ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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