スパイス料理研究家が本気でおうちカレー作ってみた【市販ルゥの究極アレンジ】
おうちカレー
こんなにも多様にアレンジが認められる料理が他にあるだろうか。
具材は大きい方がよいのか、はたまたルゥに溶かし込むのか
具材は煮込む前に炒めるのか、炒めないのか
ルゥは濃厚派か、シャバシャバ派か
ルゥはどこのメーカーのものを使うのか、ブレンドするのかしないのか
隠し味には何を入れるのか
おうちカレーには家庭の数だけ流儀がある。
そのすべてが正解であり、そのすべてが素晴らしい。
日本を代表する詩人のひとりである金子みすゞはそう言った。
あの日、母ちゃんはそう言った。クラスで流行っているゲームソフトをねだった日だった。
そう、互いを認め合う素晴らしい世界だ。
……しかし本当にそれでいいのだろうか。
多様性の時代。互いを認め合うこと。確かにそれは素晴らしいのだろう。
しかし、多様性という言葉の上に胡坐をかいてはいないか。
思考を止めてはいないか。
我々はおうちカレーのあり方について議論を戦わせ、より高みを目指すべきではないのか。
「白髪仏」と多くの選手から慕われ、他校の監督など多くのバスケ関係者からの尊敬を集める名将・安西光義氏は言った。
「先生、究極のおうちカレーが食べたいです」
私は今回、この「おうちカレー」の作り方問題に一石を投じるべく、ひとつのレシピを示したいと思う。
インドカレーの考え方をベースに旨味を存分に引き出すことを目的とした作り方である。
スパイス料理研究家の端くれとして、一人のカレー好きとして、みんなに伝えたい。
これが私の本気のおうちカレーアレンジだ。
是非お試しいただきたい。
本気のおうちカレー
材料 4~5人前
・牛肉(バラ切り落とし) 200g
・玉ねぎ 1個
・りんご 半分
・にんじん 半分
・にんにく 2片
・しょうが 2片
・ホールトマト 200g
・はちみつ 大さじ1
・市販のカレールゥ 半量
・水(使用する市販ルゥの規定の分量)
下準備
①薄く油を引いたフライパンで牛肉を炒める。
②たまねぎはみじん切りにする。
③りんご・にんじんはすりおろしておく。
④にんにく・しょうがをすりおろし、少量の水に入れておく(チューブ可)。
レシピ
①たっぷりと油を引いた鍋にみじん切りにした玉ねぎを入れ、中火で炒める。
②茶色くなってきたら、にんにく・しょうがを水ごと加え、飴色になるまで炒める。
③玉ねぎが飴色になったら、ホールトマトを加え、しっかり水分が飛ぶまで炒める。
④水分が飛んだらすりおろしたりんご・にんじんを加え炒め混ぜる。
⑤水(使用する市販ルゥの規定分量※ルゥ半量分の水)を加え、沸騰したら灰汁を取り、牛肉、はちみつを加え、5分煮込む。
⑥市販のルゥ(写真はバーモント甘口)の半量を加え、時々混ぜながらさらに煮込めば完成。
ポイント
①カレーのベースづくり
重要なのはたまねぎをしっかりと炒めること。
たまねぎの甘みと旨味がカレーのベースになっている。
またトマトはしっかり水分を飛ばしていただきたい。
②水分量
今回は市販のルゥ1パックの半分を使用する。
水の量は半パックの規定量
(※市販のカレールゥにはだいたいの場合、ルゥを1パック全部使う場合の水の量と半分使う場合の水の量が記載されている。もし記載がなければルゥを全部使う場合の半量の水を入れていただきたい)
1パックすべて使用していただいてもいいが、その場合は材料も倍量でお願いしたい。
旨みが違ってくる。
③ルゥの選び方
お好みでなんでもかまいません。
ちなみに我が家では今回バーモントの甘口を使用した。
実食
今回のレシピは今年小学生になるかわいい娘も食べられるように極上の甘口カレーを目指した。
辛味が欲しい場合は、ブラックペッパーやタバスコを試していただきたい。
特にタバスコは半端ない!
やみつきになる!
お試しあれ
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