焼肉店における「ロース」問題を客はどう考えるべきか
「焼肉店におけるロース問題」と聞いてピンと来る人は、少なくとも10年以上、焼肉に注意、関心を払っている焼肉リテラシーの高い人に違いない。
そしてこの問題をひもとくとき、物事には様々な見方があることを思い知らされる。この件は、「××警察」「▲▲ポリス」に象徴される、息苦しさと正確さの狭間のどこで生き、個人として、社会としてどう受け入れるか(もしくは拒絶するか)など、現代で問われがちな"寛容性"についての先行事例としてひもといておく必要がある。
と少し仰々しい導入から入ったが、まずこの問題が何かというところから紹介したい。
2010年焼肉店の「ロース」表示に官庁から指導
この事案が世の中に可視化されたのは、2010年10月7日のことだった。当日付の新聞メディアはこんなふうに伝えている。
2010.10.07朝日東京夕刊
2010年10月7日 19:16 日本経済新聞
「焼肉店の正肉はロースとカルビくらいしか表示がない」という時代錯誤っぷりが消費者庁のニュアンスを正確に表していたのか、記者のバイアスかはさておき、この件についての消費者庁は少し軽率だった。
ことの発端はたった一人の客からの消費者庁への通報だった。
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