新生マドリーのシステム論とクロースの不在の在。
今季、最初のタイトル獲得に成功した。
レアル・マドリーは、UEFAスーパーカップでアタランタと対戦。フェデリコ・バルベルデとキリアン・エムバペのゴールで、2−0で勝利を収めている。
■エムバペとヴィニシウスの躍動
アタランタ戦で、注目されたのはエムバペだ。だが躍動したのはヴィニシウス・ジュニオールだった。
ヴィニシウスはバルベルデの先制ゴールをアシストしただけではなく、試合を通じてアタランタの守備陣をキリキリ舞いにした。2トップの一角ではなく、左ウィングに置かれて、本来のプレーを取り戻していた。
無論、エムバペの加入で、マドリーは3トップに回帰したので、これもエムバペのおかげだと言うこともできる。だが、いずれにせよ、エムバペのデビューマッチで輝いたのは「9番」ではなく「7番」だった。
先制点は打撃だった。マドリーの6度目のUEFAスーパーカップ優勝、カルロ・アンチェロッティ監督のマドリーでの14度目のタイトル獲得が、見え始めた。なお、アンチェロッティ監督は、ミゲル・ムニョス氏に並ぶタイトル数の偉大な記録に並んだ。
アタランタは苦しかった。負傷者続出、クラブ内のゴタゴタと、トラブルのダブルパンチに見舞われていた。そこに、エムバペのいるマドリーに、ゴールを許した。意気消沈したのも無理はなかった。
とはいえ、ヨーロッパリーグの王者だ。アタランタは、オーガナイズのとれた、よく鍛えられたチームだった。戦術的にもしっかりしていて、選手たちは規律を乱さずに動いていた。
■クロースの不在の在
一方、マドリーにとっては、トニ・クロースの不在の在を感じるゲームになった。
全身を煌びやかにコーティングしているが、中身がきちんとしていない。2点目のシーンのように、エムバペ、ヴィニシウス、ロドリゴ・ゴエス、ジュード・ベリンガムが絡んだ時、確かな化学変化の反応は感じるが、それも一瞬の閃光だ。
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