ノルウェーでの4人死亡の米海兵隊オスプレイ墜落、パイロットの操縦ミスが原因
今年3月にノルウェーで行われた北大西洋条約機構(NATO)の軍事演習参加中にアメリカ海兵隊のオスプレイ1機が墜落し、搭乗員4人が死亡した事故は、パイロットの操縦ミスが原因であることがわかった。海兵隊第2海兵航空団が調査結果を明らかにした。
それによると、海兵隊の輸送ヘリMV22Bオスプレイは同月18日にノルウェー北部の北極圏にあるボードーを離陸し、NATOの大規模軍事演習「コールド・レスポンス22」の一環として飛行訓練に向かった。
しかし、当該機はあらかじめ決められていたルートを逸脱し、グラタダレン渓谷に進入し、そこで墜落した。同機はこの峡谷を飛行中にまずバンク角(機体の傾き角)68度で左に旋回。この急傾斜の旋回によって失速し、高度の低下を招いた。さらにそれを補正するために必要以上の80度を超えて右旋回を行ったため、機体をついに正常な状態に戻すことができず、墜落したという。
MV22Bの操縦基準マニュアルでは、そのような飛行ではバンク角60度が限度と定められている。
海兵隊第2海兵航空団は、天候や環境条件、派遣前訓練の必要条件の順守など他の要因も調査したが、それらの可能性はないと結論付けた。
アメリカ海兵隊のMV22Bオスプレイをめぐっては、6月にも米カリフォルニア州南部の砂漠で訓練中だった1機が墜落し、乗組員5人が死亡する事故が起きている。
●日本では陸自木更津駐屯地に9機を暫定配備
日本では陸上自衛隊がV22オスプレイ17機を佐賀空港に配備する計画。長崎県佐世保市の水陸機動団との連携で沖縄県の尖閣諸島などの離島防衛を強化する狙いだ。防衛省は佐賀空港配備を前提に、2020年7月から5年間、陸自木更津駐屯地に暫定配備している。2022年度版防衛白書によると、今年3月31日時点で9機が暫定配備された。