ミシュランガイドで唯一のビブグルマン!? 「大人の洋食」を味わえるレストランはどこ?
ミシュランガイドのビブグルマン
ミシュランガイドは日本でもよく知られているレストランガイドです。
1900年にフランスで発刊され、今では世界各地で刊行されていますが、日本に上陸したのは2007年。以来、毎年12月頃に販売されています。
東京で最新となるのは、2021年12月に発売された「ミシュランガイド東京 2022」。三つ星12店、ニつ星41店、一つ星149店が掲載されていました。
実は星以外にも、非常に役立つ指標があります。それは星に準ずるレストランとして紹介されるビブグルマン。東京では227店が登場しています。
星付きレストランに近いにもかかわらず、値段もリーズナブルで非常にお得です。このうち新しく登場したのが33店。そして、日本人が親しみやすい洋食となると、たった1店しかありません。
洋食ビストロ TŌYAMA
そのビブグルマンで新規掲載となった洋食店とは、2020年11月2日にオープンした「洋食ビストロ TŌYAMA(トオヤマ)」。
洋食からフレンチまで揃う「大人の洋食」を標榜しており、主体よりもワインに合う料理を紡ぎ出しています。
「洋食ビストロ TŌYAMA」でエグゼクティブシェフを務めるのは遠山忠芳氏。1971年に熊本県で生まれ、専門学校卒業後にホテルでフランス料理の経験を重ねて料理長に昇格。業界最大手ブライダル会社でシェフを歴任後、京都へ拠点を移します。その後、有名店でシェフを務め、現在の洋食のベースを築きました。
そして2017年9月に「上野洋食 遠山」でエグゼクティブシェフに就任し、「洋食ビストロ TŌYAMA」オープンと同時にエグゼクティブシェフに就きます。
遠山氏は生まれ育った熊本を中心とした九州の旬の食材を使用。素材にとことん向き合い、手間暇かけてこそ伝わる味を追求し続けています。
日本が独自に進化させてきた洋食にフレンチをプラスして、大人の洋食に仕上げているのが大きな特徴。気軽に楽しめるアラカルトと珠玉のメニューで構成されたコースで好評を博しています。
今回は代表的なコースメニューの一例を紹介していきましょう。
天草大王の軽いタタキ
熊本県の地鶏「天草大王」を用いたタルタル。「天草大王」の肉質は適度に弾力があって、非常に味わい深いです。「生うに添え」を追加すれば、さらに濃厚さと旨味が加わります。削られたパルメザンチーズが「天草大王」の味わいをより際立たせ、辛子ソースでピリッとしたアクセント。
フランス ロワール産ホワイトアスパラガスとホタルイカのバターソテー
旬菜である甘味のあるホワイトアスパラガスをバターで香り高くソテーしました。ホタルイカとアオサソースによる磯の香りが素晴らしいです。自家製マヨネーズで味わいも濃厚に。
コンソメロワイヤルスープ
遠山氏のスペシャリテとなる、洋風茶碗蒸し仕立て。コンソメのロワイヤルにたっぷりの刻んだ黒トリュフを加え、妖艶な香りをまとわせています。テーブルに運ばれて来た瞬間に、その香気に心を奪われることでしょう。
洋食遠山の特製デミグラスハンバーグ マッシュポテト添え
肉の水分量に合わせて肉を挽いており、外はこんがり、中はジューシーに焼き上げています。肉の繊細な味わいが詰まったハンバーグは、200グラムとたっぷりのボリューム。デミグラスソースは、隠し味にニンニク醤油が加えられ、酸味が特徴的です。
クレームブリュレ
表面はしっかりとカラメリゼされ、中はとてもなめらか。大きなココットでしっかりと味わえます。
フレンチのハードルを下げたい
どのメニューも、日本人に馴染みがある食材が使われていたり、日本でもよく知られている料理であったりしました。親しみやすいフランス料理、もしくは、上質な洋食といった形容がぴったりでしょう。
遠山氏は次のように話します。
「フレンチなのでソースにとても力を入れています。しかし、お客様には気軽に食べていただきたいので、馴染みのあるメニューを考えていますね」
食材の組み合わせを考えるのが好きなので、色々と試行錯誤し、ちょうどよいバランスに仕上げているといいます。
「隠れ家的な場所ということもあり、お客様はリピーターの方が多いですね。新しいイベントも企画していて、出身である熊本県の食材を活かしたフェアを考えておりますので、楽しみにお待ちください」
洋食とフレンチの間で絶妙なメニューを紡ぎ出す遠山氏。ビブグルマンとして掲載された「洋食ビストロ TŌYAMA」は、今最も注目される洋食店であるといって間違いありません。