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家庭菜園 たくさん収穫するために知っておきたい3つのこと

緒方湊野菜ソムリエプロ(高校生)

家庭菜園は特別なことではなく、何でも栽培することができます。日当たりが多少悪くてもできるものもあります。広い畑ではなく、プランターを上手に利用して栽培するものもあります。その前に、知っていただきたいことがあります。

水やり

水やりの時間、これはとても大事です。これからの季節、気温が高い時間帯に水やりすると水がお湯になるので早朝の気温が低い時にあげるようにしてください。

水をあげる量も大事です。プランターで栽培する場合の「水やり」は、たっぷりと水をあげることで、プランターの中の土に溜まっている古い水分や空気、雑菌などを洗い流し、新しい水分と空気に交換するという意味があります。

したがって、マメに毎日水をあげるのではなく、土が乾いたらプランターの底から水が染み出るくらい、水をたっぷりとあげるようにします。土が乾いていない状態で水をあげると土がいつも湿っている状態になり、根が酸欠を起こすだけでなく、細菌が増殖しやすくなります。

③ハス口(ぐち)の向きですが、ハス口というのはジョウロの口のことです。向きを変えることで水の出る量が変わります。上に向けると広い面積に水を与えることが出来、下に向けるとピンポイントで水を上げることが出来ます。

「水は葉や茎にかけない」ということも大事です。

葉は光合成をする時、葉から水分を放出しています 「蒸散作用」といわれる現象です。葉から水分を放出することで、根から水を吸い上げ、同時に栄養も吸収します。葉に水をあげると、葉に残った水分がレンズの役割をしてしまい、日中の太陽の光で葉が焼けてしまうことを防ぐためです。水は根元とその周辺にあげるようにすることが大事です。

水が好きな野菜、そうでもない野菜

野菜によっても水が大好きなものと、そうでもないものがあります。野菜の原産地を知ることで育て方が分かるものもあります。例えばトマトの場合、南米アンデス高原の乾燥した土地が原産です。だから水のやり過ぎは禁物なんだなぁと想像できます。キュウリはヒマラヤ山脈の温暖湿潤の肥沃な土地が原産なので、肥料と水が大好きで、実際どちらかが不足するとキュウリは曲がったキュウリになってしまいます。ナスは高温多湿なインドが原産です。キュウリ同様に肥料と水が大好きです。プランターで栽培する時は、水はけをよくする為に鉢底石をプランターの底に敷きますが、ナスを育てる場合は、敢えて鉢底石は入れずに育てると上手に育てることが出来ます。

ベランダ栽培について

ベランダ栽培で気を付けることは、ベランダのコンクリートの上は日光が当たると高温になりやすいので、スノコの上にプランターを載せるなどの対策も必要です。また、エアコンの室外機の熱風が直接当たらない場所で育てることです。植物も人間と同じく呼吸をするため新鮮な空気が必要です。葉が横に広がる植物の場合、葉同士が重なり合い密になるので、病気になった場合、一気に病気が広がってしまいます。風通しの良い環境をつくるようにするのが大事です。

プランターについて

プランターが大きければ大きいほど植物は根を張るので、収量も増えます。プランター栽培で気を付けるのは、育てる野菜の根が横に広がる野菜か、下に伸びる野菜かで選ぶプランターが異なると言う点です。

キュウリなどのウリ科、ニラなどのユリ科は根が浅く広がるのが特徴で、ナス、トマトなどのナス科は根が真っ直ぐに伸びるので、深いプランターが最適なプランターになります。

夏の家庭菜園では黒のプランターは熱が上がりやすいので、白っぽい方がよいです。キュウリは根が浅く広がり熱を感じやすいので、土の表面にワラやヤシの繊維などで覆い、温度が上がりにくくなるようにすると長持ちします。

野菜ソムリエプロ(高校生)

横浜在住。県立高校2年(16歳)。8歳で「野菜ソムリエ」、10 歳で「野菜ソムリエプロ」に合格し、当時の最年少記録を大幅に更新。12歳で日本さかな検定(とと検定)1級にも合格。公的機関、民間企業の大使、アンバサダーを多く拝命。公的機関や民間企業と一緒に行う野菜の普及啓発活動の他、和食文化の保護・継承にも取り組む。また官民を繋ぎ、地方共創への取り組みを支援し、関係人口の創出をサポートしている。著書:『野菜がおいしくなるクイズ』(‎飛鳥新社)

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