アンケート調査の大問題:数字に騙されないために:コロナビール、「米国での販売は好調」 世論調査に反論
<世の中には間違ったアンケートがいっぱい。騙される人もいっぱい。では、どうすれば良いのか。>
■アンケート調査とは
アンケートとは、質問。問合せ。多くの人に意見を求める通信調査や面接調査などのことです(あれ?そうすると本当は「アンケート調査」という言い方は間違いかな。でも、一般的に使われていますね)。
調査は、とても大切です。国も、様々な調査を行い、政策を決めていきます。人口調査のようなものは、はっきりしているから良いでしょう。
問題は、質問に答えてもらう「アンケート」です。アンケートによる失敗って、けっこうたくさんあります。商業的な失敗もありますし、政治が誤ることも、マスコミが誤ることもあります。
あなたの身近なところでも、アンケートをとった結果、かえって面倒になったことはありませんか。
アップル社の創業者スティーブ・ジョブズは、消費者アンケート(マーケティングリサーチ)が嫌いでした。彼は、こう言っています。
「顧客が望むモノを提供しろ」という人もいる。
だが、私の考えは違う。
顧客が今後、何を望むようになるのか、それを顧客本人よりも早くつかむのが我々の仕事なんだ。
本当に売れる画期的新商品のアイデアを、お客さんは出してはくれません。
あなたが、職場や町内会などでアンケートをとっても、理想的なことや、勝手な言い分ばかり集まって、しかもアンケートをとってしまったのだから無視もできなくて、困ってしまった。そんな経験はないでしょうか。
アンケートは危険がいっぱいです。アンケート結果で人々を騙すこともできます。アンケート結果で商売がガタガタになることもあります。
実はアンケートが悪いわけではなく、アンケートの使い方が悪いのですが。
■コロナビールの売り上げが落ちている?
この記事に、次のようなオーサーコメントをしました。
アンケート調査の問題は、人は質問されれば答えるということです。
「新添加物『ヘルサマサラ』に賛成か反対か」と質問すれば、回答が返ってきます。そんな添加物は存在しないのに。
今まで意識していなかったのに、質問されることで意識してしまうこともあります。
「東京は緑が少ないですね」と言われても「多いでね」と言われても、人はどちらにも「はい」と答えたくなります。
質問の仕方によって、回答は変わるのです。新聞社によって内閣支持率の差があるのは、このためです。
アンケート調査の歴史に残る失敗として有名なのが、電話アンケートによる大統領選挙の予想(当時電話を持っている人は一部の階層だけだった)、高価なビールと安価なビールの好みの調査(回答者は見栄を張り高価なビールと回答)などがあります。
アンケート結果が出ると、しばしば数字が独り歩きします。そこから新たな偏見や風評が出てはいけません。
この問題をさらに考えてみましょう。
たとえば、新しい飛行場建設に反対しているグループが街頭アンケートを取り、反対が9割だったとしましょう。そのアンケート結果は、議会も動かしました。
でもこれ、大変な間違いです。
■誰がアンケートに回答しているか
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