ノート(216) 陸山会事件の補充尋問で裁判官が関心を示した事項とは
~続・工場編(9)
受刑234/384日目(続)
左陪席による「深掘り」
弁護人による反対尋問が終わると、そのままの流れで裁判所による補充尋問が行われた。
繰り返しになるが、裁判官は、主尋問や反対尋問を経たうえで特に関心や疑問を抱いている事柄に絞って証人に補充尋問を行う。何をどのように尋ねたかによって、彼らの心証や判決文に盛り込まれるテーマなどをうかがい知ることができる。
まず、左陪席の裁判官からは、元公設第一秘書が一番最初に自白に至った経緯や、その際の自白の中身、例えば具体的にどのような言葉遣いだったのかとか、どのような言い回しだったのかについて確認された。
これらは検察官役の指定弁護士による主尋問や弁護側の反対尋問の中でも時間を割いて取り上げられていたテーマだった。左陪席はその「上塗り」により僕の証言を固めるだけでなく、さらに「深掘り」することで信用性まで高めようとしているものと思われた。
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