今絶対に食べておくべき 京都のかき氷「最新」3軒
京都のかき氷シーンが変わりつつある
まず最初に、かき氷は夏の食べ物だと思っているとしたら、それは間違いである。今やかき氷は通年楽しめるスイーツとして、若者を中心に人気を集めている。夏の縁日で見られたような、色鮮やかなシロップをかけたかき氷とは違い、現代のかき氷は旬の食材を生かして様々な味わいを表現する料理に進化している。
そんなかき氷のムーブメントは京都にも広がりを見せつつある。日本有数の茶の産地でもある京都では、夏の風物詩として抹茶を使ったかき氷が甘味処などで人気を集めてきたが、ここ数年は抹茶に頼らない創作系のかき氷専門店が続々と登場。今や一年を通して個性豊かなかき氷を楽しめる場所となった。
京都のかき氷は抹茶だけではない。今回は京都のかき氷シーンに新たに登場した注目店を厳選してご紹介しよう。きっとかき氷の世界がグッと広がってより楽しく身近に感じられることだろう。
人気店出身のカラフルなかき氷『京かき氷 つみき』(四条烏丸)
京都でいち早く創作系かき氷で人気を博した『京氷菓つらら』で経験を積んで、2022年に独立したのが『京かき氷 つみき』(京都府京都市中京区小結棚町441)。場所は四条烏丸から程近く、四条通から新町通を上った東側。オープンして一年ちょっとだが、早くも県外などのイベントへも出店するほどの注目店となっている。
旬のフルーツを中心に季節感あふれるメニューを通年で入れ替えながら提供。繭のような形の可愛らしく丁寧な盛り付けで、ふんわり柔らかに氷を削っている。カラフルで色鮮やかなメニューも多く、何を食べたら良いか迷ってしまうかも。飛び込みで入れることもあるが、基本的には事前予約制なので予約をしてから訪問しよう。
名店のレシピを継ぐ間借りかき氷『かき氷とまるまる ツギノメ』(北山)
2022年10月に惜しまれつつ閉店した『美氷 ねろの鈴』(東京・水天宮前)のレシピを受け継ぎ、2023年4月にオープンしたのが『かき氷とまるまる ツギノメ』(京都府京都市北区上賀茂岩ケ垣内町91)。地下鉄烏丸線「北山」駅から歩いてすぐの、串焼き居酒屋を昼間だけ間借りして開業。北山エリアで本格的なかき氷が楽しめると、一気に注目を集めている新進店だ。
かき氷は『ねろの鈴』でも愛された、定番の「いちごミルク」や「宇治抹茶ミルク金時金時」はもちろん「塩ミルクキャラメルナッツ」や「レアチーズケーキ」などの創作系、さらには「みぞれ」や「練乳」など自家製シロップでシンプルに味わう「そぼく氷」などバリエーションや追加シロップも豊富。ここに来れば自分好みのかき氷がきっと見つかるはずだ。
和食の技法を生かした驚きのかき氷『酒とこおり ばんくす』(五条大宮)
五条大宮から程近い路地に佇む京町家を、スタイリッシュにリノベーションしたダイニングバーが2022年に創作系かき氷を楽しめる店にリニューアル。『酒とこおり ばんくす』(京都府京都市下京区下長福寺町276)は、和食料理人であるオーナーが和食の世界観をかき氷で表現したいと、今までにはない斬新なかき氷を提案している店だ。
スイーツとしてのかき氷の概念に縛られることなく、味噌や醤油など通常かき氷には使わない調味料なども使い、自由な発想で生み出されたかき氷は、一見キワモノのように見えて、料理としてもスイーツのかき氷としても成立している。中でも「肉じゃが」はジャガイモや玉ねぎの甘みと醤油や味噌の味わいを、見事にかき氷として表現した意欲作。味わいは肉じゃがなのだが、ちゃんとかき氷として美味しいハイレベルな次世代型かき氷だ。
今回ご紹介した3軒は、いずれも新しい店ながらも京都のかき氷を食べ歩く上で欠かせない実力店ばかり。店によっては事前予約が必要な場合もあるので、Instagramなどで事前に情報をチェックしてから出掛けて、抹茶だけではない京都のかき氷の楽しくて奥深い世界を是非とも体感して欲しい。
※写真は筆者によるものです。
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