2019年夏、今食べるべき『かき氷』のニューカマーとは?
2019年注目すべきかき氷の新星たち
遅く長かった梅雨もようやく明けて、いよいよ夏本番。連日30℃以上の真夏日が続いているが、この時期になるとテレビや雑誌など各メディアから、かき氷評論家としての出演や取材の依頼が増える。また、友人などからも美味しいかき氷のお店を尋ねられることが増える。
かき氷は今や夏だけではなく、一年を通して楽しめるオールシーズンのデザートである。夏よりもむしろ秋や冬の方がかき氷のベストシーズンなのだ。と、かき氷評論家として常日頃主張させて頂いているのだが、やはりまだまだかき氷と言えば夏というイメージが根強く、己の力不足を少し感じている(関連記事:意外と知らない「かき氷」3つの真実とは?)。
「カキゴーラー」と呼ばれるかき氷マニアたちは、一般的にはかき氷のシーズンと言われる夏場にはあまり動かず、むしろ秋や冬になってから行動を開始する。夏場は多くのお客さんがかき氷を求めるため、混雑している店を避けたいという理由もあるが、秋や冬の方が旬の食材も豊富になって、かき氷そのものが楽しいメニューが増えるということもある。
かく言う私も基本的に夏場はかき氷をあまり食さない。しかし世の中からは夏になるとかき氷の情報を求められるので、暑い中お店に並んでかき氷を食べることもある。そこで今回は、2019年の夏に行くべきニューカマーのかき氷店をいくつかご紹介したい。まだあまりメディアには出ていないお店が多いので、いわゆる有名店や人気店に比べると行列や混雑は少ないと思うが、その味わいや完成度は負けず劣らずの実力店ばかりだ。
たった6席、完全予約制のかき氷店
まずは全国一のかき氷激戦区、東京から。2019年3月にオープンした『Tokyo Shave Ice necogoori(ねこごおり)』(東京都品川区南大井6-11-10)は、人気ラーメン店「麦苗」で間借り営業していたかき氷店が、満を持して路面店としてオープンした店。全国各地の旬のフルーツを生かしたメニューが自慢。かき氷が好きで食べ歩きをしていたオーナーらしく、進化が止まらない東京のかき氷シーンの最先端をしっかりとキャッチしたかき氷を提供し、早くも東京のかき氷マニアを唸らせる人気店になっている。
全国屈指のかき氷タウン奈良に、2019年3月オープンした話題の新店が『LABO 103』(奈良県奈良市学園朝日町3-9)。京都の人気カフェでもかき氷を削っているオーナーが一人で営む、カウンター6席の小さなお店。経験豊富なオーナーだからこそ、新店ながらも繊細な削りと計算された味の組み立てを楽しむことが出来る。特に唐辛子や山椒などのスパイスの使い方が絶妙だ。ちなみにこちらは毎週金曜から月曜までの週4日営業(火曜〜木曜はお休み)で、専用サイトによる完全予約制になっているので注意して欲しい。
経験豊富なパティシエが本気で挑むかき氷
実力店や老舗ひしめく京都に、2019年7月オープンしたばかりの新店が『京氷菓 つらら』(京都府京都市中京区西ノ京内畑町22)。こちらは東京の人気かき氷店で修業し、大阪で数々のかき氷店をプロデュースしてきた、人気かき氷職人によるプロデュース店。優しいミルクの甘さとフルーツとのバランスが秀逸で、ふわふわとした雪のような食感も素晴らしい。また、京都らしく地元和束町の茶を使った抹茶シロップやほうじ茶シロップのメニューもある。
かき氷ブームが徐々に浸透しつつある福岡に、2018年7月にオープンして注目を集めている店が『kohakudo(こはくどう)』(福岡県福岡市中央区大名2-3-8)。東京の人気イタリアンやカフェでパティシエとして腕を鳴らしたオーナーが、地元福岡に戻って立ち上げた、かき氷とシュークリームの専門店。春から秋にかけてかき氷をイートインで提供し、寒くなった頃からはシュークリームのテイクアウト店となる。日光の老舗氷室「松月」の天然氷を優しくふんわりと削り、アイディアあふれるメニューを考案。シロップやソース、クリームの完成度はさすがパティシエ。
何度も言うが、かき氷のベストシーズンは秋以降。しかし、暑い夏にかき氷を食べたいという人は、熱中症など暑さ対策を万全にして、美味しく楽しくかき氷を楽しんで頂きたい。
※写真は筆者の撮影によるものです。
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