台風11号は先島諸島の南海上へ このコースに要注意
台風11号は先島諸島へ 3日にかけて接近
強い台風11号は、2日(土)の午前9時には沖縄の南にあって、1時間におよそ15キロの速さで西へ進んでいます。中心の気圧は975ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、中心から半径55キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。
台風は、今後も西寄りに進み、3日(日)にかけて、強い勢力で先島諸島に接近する見通しです。
進路はなぜ西寄りに
現在、沖縄地方の北には高気圧があって、台風の北上を防ぐような気圧配置となっています。台風自身の風や周辺の風の影響と高気圧の相互作用により、予想が西寄りへと変化していると考えられます。
沖縄では、台風の中心が沖縄本島へ向かうのか、宮古島方面か、石垣島方面かで各地への影響が大きく変化するため、台風の中心が50キロから100キロ変化するだけでもとても重要になってきます。
類似コースの台風
【2010年 台風11号】
2010年9月15日午後9時、沖縄の南の海上で発生した台風11号は発達しながら北東に進み、9月17日午前3時には宮古島の南東約440キロの海上に達し、中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートルの強い勢力となりました。台風はその後も発達しながら北へ進んだ後、進路を西に変えて進み、9月18日午前6時には宮古島の南南東およそ200キロで、中心気圧は940ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートルの非常に強い勢力となりました。
9月18日午後9時には台風の中心は、石垣島の南約60キロまで接近し、更に発達しながら八重山諸島の南海上を西に進んで、9月19日午前0時には西表島の南約60キロで中心気圧930ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートルとなりました。その後、台風は台北の南約150キロで勢力を弱めながら進路を南に変えた後、台湾へ上陸、進路を西に変えて進み、台湾海峡を経て中国大陸に上陸後、9月21日午前3時に熱帯低気圧へ変わりました。
台風接近に伴い、当時、石垣島や西表島、与那国島では東~北寄りの風で50メートルを超える最大瞬間風速を観測しました。
この台風の影響により、八重山地方では負傷者が7人出たほか、住宅被害や土砂崩れ、停電や車の被害が出ました。また、交通機関は先島諸島を中心に欠航が相次ぎ、高波によって港の岸壁のフェンスが倒壊するなどの被害が確認されています。
今回の台風11号も、沖縄付近では似たようなコースが予想されています。2日(土)から3日(日)にかけて、宮古島や石垣島では東寄りの風が強まる見通しです。大雨、高波、高潮にも警戒が必要です。
参考資料 沖縄気象台、気象庁HPより
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