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東京都美術館「第50回 太陽美術展」に三浦春馬さんを描いた油絵が多数出品!

篠田博之月刊『創』編集長
「光と影」(原惠子作。本人提供写真)

三浦春馬さんのテレビ作品が相次いで再放送

 2020年に亡くなった三浦春馬さんをめぐる話題がこのところ続いている。JUJUさんと共演した「せかほし」ことNHK『世界はほしいモノにあふれてる』1stシーズンがNHK-BSで11月8日から再放送されたり、2017年大河ドラマ「おんな城主 直虎」がBS松竹東急で10月31日から毎週木曜放送されたりと、話題作に次々と光が当たっているのだ。

「第50回太陽美術展」に春馬さんの油絵出品

 そして11月9日(土)~16日(土)の1週間、東京都美術館で開催される「第50回太陽美術展」に、春馬さんを描いた油彩画(油絵)5点が展示される。作者は山口県在住の原惠子さんだ。原さんはその美術展で、多数の出品者の中から「視点」コーナーに作品が展示される。全15点出品したうちの5点が春馬さんを描いた作品だ。

 ここにいち早くその作品を紹介するが、やはり油絵はリアルで鑑賞して、筆のタッチなどを見てほしいから、都合のつく人は上野の都美術館に足を運んでほしい。原さんも山口県から上京して展示室にいる日もあるそうだ。

 私が編集している月刊『創』(つくる)は2020年11月号から毎号、春馬さんを偲んでいるいわゆる「春友さん」たちの鉛筆画や切り絵、人形などを紹介してきた。春馬さん作品を描いている人たちとはほぼ接触してきたと思っていたが、今回の原さんは初めて接した女性だ。彼女が編集部に電話をしてきたことでやりとりが始まった。

 

「aura-光の海」(原惠子作)
「aura-光の海」(原惠子作)

 今回の太陽美術展に出品された作品は「aura-光の海」(F100号)、「追悼-夢のあとさき」(同)、「何処へ」(F20号)、「汚れなき瞳」(同)、「光と影」(同)だが、100号といえば大きな作品だ。原さんがどういう思いで春馬さんの油彩画を描いてきたか。本人の言葉を紹介しよう。

《この4年の歳月。春馬氏への憧憬の念は消えず、自身独自の世界観を描き続けた。2020の作品、春馬氏を仏像に仮想し、その前に立つ自身。美しい小紋の和服姿を見上げて「逢いたい」F100と表現した。

「追悼-駆け抜けた愛」F100、「追悼-夢のあとさき」F100は春馬氏をより近い存在として、融合させたい心の奥底の遣る瀬なさが観る側に伝わることを願った。

 作品「Aura-光の海」F100は春馬氏とバックが一体化し、抽象化して、人物は全体と同化し、思いもよらず変貌した。少し謎めいた雰囲気が出せたように思う。枠囲いのアラベスク紋様。春馬氏を棺へと導く。》

フランスでも入選し、来年2月にはパリで展示

《2023作品「異国の空を夢見て」F100は、春馬氏が夢見たニューヨークの空をモチーフとして、フランスのル・サロンに入選し、今、船便でパリに向かっています。2025年2月「ル・サロン展」パリのグランパレで展示されます。

 今年、F20号を3点出品しましたが、まだまだ描きたい。謎めいた春馬氏の表情。 美しい濡れた瞳の奥の真珠色を捉えたい。

 三浦春馬氏主演2020年12月に公開された映画「天外者」は、コロナ禍の中、映画館に9回足を運んだ。映画「真夜中の5分前」は 録画で毎晩のように世界観に浸っている。

 亡くなるまで全く知らなかった俳優アーティスト三浦春馬氏。ほぼ全て作品を録画して宝物のように観ている。》

「追悼-夢のあとさき」(原惠子作)
「追悼-夢のあとさき」(原惠子作)

 

 春馬さんを描いたアートとしては、『創』表紙を飾ってきた海扉アラジンさんの切り絵はもちろん、dekoこと銀屋純子さんの鉛筆画、人形作家・月乃光さんの人形など、いろいろな展覧会で展示されてきたが、油彩画がこれだけまとまって展示されるのはこれが初めてではないだろうか。私も会期中にぜひ会場を訪れてみたいと思っている。

映画「天外者」五代友厚の研究者が急逝

 三浦春馬さんをめぐるこの間の出来事といえば、最後の主演映画「天外者」で描かれた五代友厚の研究者・八木孝昌さんの急逝もあった。しかも、五代友厚をめぐるこれまでの誤った定説を丹念な研究によって覆した経緯をまとめた著書『五代友厚名誉回復の記録―教科書等記述訂正をめぐって』が11月1日に出版される直前に亡くなるという驚きの経緯だった。これについては月刊『創』12月号に詳しく書いた。

「勝手に三浦春馬君と自撮りで2ショット!(「死刑囚表現展」より)
「勝手に三浦春馬君と自撮りで2ショット!(「死刑囚表現展」より)

「死刑囚表現展」作品にも描かれた

 それからもうひとつ、紹介したいのは、11月初めに開催された「死刑囚表現展」に出品された作品に春馬さんが描かれたという話題だ。

 寝屋川事件・山田浩二死刑囚が『創』の表紙を描いたのだが、何と本人と春馬さんの2ショットだ。本人が書いたキャプションにこうある。「勝手に三浦春馬君と自撮りで2ショット! ちなみに春馬君とは誕生日が1日違い。同じ春の桜の季節に生まれた縁」

 春馬さんと死刑囚の2ショットというのは春友さんもびっくりだろう。山田死刑囚と「死刑囚表現展」がどういうものであるかについては、下記のヤフーニュースの記事をご覧いただきたい。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f9b70fc7518d1b1f2407916488d7af842ffb39e7

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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